紅白歌合戦出演者の出身地ランキング

2021.6.27

歌にまつわるさまざまな事柄をランキング形式で紹介する「うたびとランキング」。
第1回は、『NHK紅白歌合戦』出演者の出身地を調査。
1951年1月3日に記念すべき第1回がラジオ放送されから2020年で71回を数える紅白。
出演者は白組が延べ1656組、紅組が延べ1660組、実数では白組351組、紅組363組にのぼる。
その出演者の出身地を都道府県別にランキングにしようというのがこの企画。
人口の多い東京や大阪などの大都市を抱えるところが上位にくることは予想されるが、紅白に出場するような歌手を生む土地には、人口以外にも、それなりの背景もあるようだ。
さて、あなたの故郷にはどんな紅白歌手がいる――!?

 

注)出演者のカウントは1人1回。3人以上のグループはリーダー、もしくはメインボーカルなどの中心メンバー1名の出身地をカウントしました。
少数ですが出身地非公開の方、また手を尽くしましたが判明しない方もいたことをお断りしておきます。

目次

エリア別紅白歌合戦出演者

北海道・東北エリア

ランキングBEST10では北海道が見事に5位にランクイン。古いところでは民謡で鍛えた高音と独特のこぶしが特徴的だった三橋美智也、通算50回の出場歴を誇る北島三郎、レコード大賞歌手の細川たかし、ポップスの大橋純子など歌唱力に定評のある紅白歌手を輩出。
東北地方では、哀愁あふれる演歌から『俺はぜったいプレスリー!』などのコミカルな曲まで歌い、幅広い人気を誇る吉幾三(第37回に初出場)を生んだ青森県が13位、NHK朝の連続ドラマ『エール』でも描かれた福島三羽烏の一人、『イヨマンテの夜』の伊藤久男などが出身の福島(13位)が上位に顔を出した。

関東エリア

次に関東は、何といっても第1位の東京。今回のカウントでは2位の大阪にトリプルスコア差をつけてのダントツ1位。書籍『ご当地ソング大百科』(合田道人著/全音楽譜出版社)では東京(都下)を象徴する曲のベストテンの1位に、松任谷由実(発売当時は荒井由実)の『中央フリーウェイ』をあげているが、そのユーミンは東京・八王子の出身で、紅白にも第56回(2005年)以来、5回出場している。
第3位の神奈川は、明治期に横浜が日本の玄関口として開かれたこともあり、早くから海外の文化に接していたこと、上流階級の別荘地として開発が進められた湘南が、戦後には若者文化の発信拠点となったことなどの背景を持ち、多くの音楽やミュージシャンが生まれた。紅白にも、昭和時代に17回出場(特別出演・AI美空ひばりは除く)した、日本が誇る歌姫・美空ひばり、第30回(1979年)に『いとしのエリー』を歌って初出場を果たして以来、5回(第69回は特別企画)出場しているサザンオールスターズを率いる桑田佳祐をはじめ、50組を超えるアーティストが出演している。
その他では埼玉が9位、千葉が11位につけている。

中部エリア

7位には愛知がランクイン。第10回(1959年)に初出場のザ・ピーナッツ、第14回(1964年)に初出場した舟木一夫ほか、第41回(1990年)に『おどるポンポコリン』で出演し、会場を沸かせたB.B.クィーンズの近藤房之助、第33回(1982年)と第58回(2007年)に出場したあみんから、第55回(2004年)に『マツケンサンバⅡ』で歌手別最高視聴率を叩き出した松平健まで、ユニークな顔ぶれがそろう。
意外と健闘を見せたのが、4回の出場歴を持つピンク・レディー、第27回(1976年)~第44回(1993年)までに11回出場した研ナオコ、第41回(1990年)に出場したR&Bシンガーの久保田利伸などがいる静岡で15位につけている。
その他、第61回(2010年)から第69回(2018年)まで連続9回出場した西野カナや第63回(2012年)に出場を果たしたナオト・インティライミらを輩出した三重が18位に。

関西エリア

第2位に大阪が入った。10回出場のいしだあゆみ、ソロとして16回、アリスとして3回出場し、第42回(1991年)には『昴』を歌って大トリを務めた谷村新司、連続30回を含む39回出場という不滅の記録を持つ和田アキ子は、第66回(2015年)の紅白のステージで4回目の歌唱となる『笑って許して』を歌った。他にも槇原敬之大塚愛絢香らのポップス勢、大人気のムード歌謡グループ「純烈」のリーダー・酒井一圭、俳優としても活躍中の菅田将暉桐谷健太などなど多士済々。お笑い界から出場を果たした、ダウンタウン(浜田雅功)藤井隆など吉本勢も数多く出場している。
さらに関西には6位に兵庫、12位に京都が控える。海、異人館、六甲の山並み……おしゃれで洗練された文化に彩られた港町・神戸を抱えた兵庫からは第4回(1953年)に初出場の浜口庫之助、第12回(1961年)初出場の寿美花代、第18回(1967年)に初めて選ばれた菅原洋一ら、昭和の歌謡界を彩った歌手が数多く誕生している。時代は下っても、第25回(1974年)で世界歌謡祭グランプリ曲『あなた』を歌った小坂明子、女性からの支持が高かった第51回(2000年)出場の花*花、さらには子役時代の芦田愛菜(第62回/2011年)から、若い層から絶大な人気を誇るあいみょん(第69回/2018年)まで、どこか上品で洗練された印象のあるアーティストが多いのはやはり神戸の持つ文化の香りゆえか。
一方京都は、第16回(1965年)に初出場以来29回の出場歴を持つ都はるみ、『娘よ』の大ヒットで第35回(1984年)に出場した俳優の芦屋雁之助、第56回(2005年)に初出演の倖田來未ら多彩な顔ぶれでBEST10まであと一歩。

中国・四国エリア

中国・四国エリアは、やや苦戦。
第29回(1978年)、30回(1979年)にツイストで連続出場した世良公則、18回の出場歴を持ち、郷ひろみ、野口五郎と共に新御三家として昭和の歌謡界で絶大な人気を誇った西城秀樹、第71回(2020年)に、メジャーデビュー以来16年目にして初出場をつかんだJUJUら、ロックやポップス系の歌手を輩出している広島が8位に。
四国では愛媛が18位と健闘をみせた。『夏の日の思い出』の大ヒットで知られ、第16回(1965年)から3年連続の出場を果たした日野てる子、『千の風になって』がヒットしたテノール歌手の秋川雅史、第60回(2009年)に声優として紅白初出場を果たした水樹奈々らが出身。

九州エリア

このエリアは歌手に限らず多くの芸能人を輩出している日本屈指の芸能エリアでもある。
まず、紅白出場歌手数4位にランクインしている福岡。『東洋経済オンライン』によると、歌手、アーティストから俳優、タレントに至るまで、そうそうたる顔ぶれが揃う福岡は、幸若舞や博多どんたく、山笠などの芸能や祭祀が盛んな土地で、それが芸能やお祭り好きな気質を育み、エンターテインメントとの親和性が高いという分析をしている。
紅白にも第40回(1989年)と49回(1998年)に出場の武田鉄矢、第31回を皮切りに第71回(2020年)まで24回の出場を果たし、2度の大トリを務めた松田聖子、チェッカーズとして9回、ソロとして5回出場した藤井フミヤ、新人時代の第51回(2000年)から連続21回出場を果たし、今後も記録を伸ばしそうな氷川きよし、氷川初出場の前年、第50回(1999年)に初出場を果たし、以後15回連続出場の記録を持つ浜崎あゆみら数多くの出身者が顔を揃えている。
九州では他に第16回(1965年)~37回(1986年)まで連続22回出場した水前寺清子や通算43回の出場を誇り、第35回(1984年)から連続37回の記録を継続中の石川さゆりら、演歌の大御所を擁する熊本県と、第41回(1990年)に初出演した際、崩壊したベルリンの壁の前で歌うという前代未聞のパフォーマンスで視聴者を驚かせた長渕剛、第45回に初出演した際に、バックバンドに日野皓正、大西順子、渡辺香津美、石川鷹彦らジャズ、ポップス界の大物ミュージシャンを集め、会場を沸かせたフォークソングのカリスマ・吉田拓郎、9回の出場歴を持つ中島美嘉らの名前があがる鹿児島が16位。
第71回(2020年)には白組のトリを務めた福山雅治、クール・ファイブ時代に11回、ソロとして19回の出場を果たした前川清らがいる長崎と、かぐや姫時代に1回、ソロとして5回出場した南こうせつやスター・にしきのあきら(現・錦野旦)らが出身の大分が18位となった。

沖縄エリア

「紅白出演者出身地ランキング」の大トリは沖縄。
面積は全国44位、人口は25位の沖縄だが、紅白歌手輩出ランキングは堂々の10位にランクインした。
アイドルの元祖といわれ、第42回には引退後14年ぶりに8回目の出場を果たしてファンを喜ばせた南沙織、琉球民謡を現代風にアレンジして歌謡界に新風を吹き込んだ喜納昌吉夏川りみBEGIN、第68回(2017年)で引退前最後のステージとして14年ぶりに紅白の舞台に立った安室奈美恵、沖縄アクターズスクールでその安室の後輩だったSPEED、『U.S.A』の大ヒットも記憶に新しいDA PUMP、歌手・ダンサーとして活躍する三浦大知などなど、今後も紅白のステージを彩ってくれそうなアーティストが目白押しだ。

 

2020年、第71回の紅白歌合戦の第2部は、2年ぶりに視聴率40%を回復した。視聴者離れを言われて久しいが、やはり日本の年末の風物詩であることに違いはない。
年末・年始に帰省した実家で、一人残った都会の部屋で、同郷の歌手を応援するのも一興。72回目の紅白は、どんな顔ぶれになるだろう。

1951~2020年 紅白歌合戦出演者の出身地ランキングTOP10

1位:東京都
江利チエミ、水原弘、平尾昌晃、吉永小百合、黛ジュン、布施明、ちあきなおみ、松任谷由実、キャンディーズ、中森明菜、松たか子、平原綾香、上戸彩、スガシカオ、高橋みなみ、きゃりーぱみゅぱみゅetc.

2位:大阪府
森繁久彌、西田佐知子、和田アキ子、河合奈保子、谷村新司、河島英五、槇原敬之、aiko、大塚愛、絢香、菅田将暉etc.

3位:神奈川県
美空ひばり、加山雄三、山口百恵、小泉今日子、桑田佳祐、鈴木亜美、小沢健二、いきものがかり、瑛人etc.

4位:福岡県
中尾ミエ、山本リンダ、小柳ルミ子、郷ひろみ、松田聖子、武田鉄矢、氷川きよし、浜崎あゆみetc.

5位:北海道
三橋美智也、北島三郎、細川たかし、大橋純子、玉置浩二、中島みゆき、水谷豊、Whiteberry、YUKIetc.

6位:兵庫県
浜口庫之助、寿美花代、菅原洋一、小坂明子、石野真子、松浦亜弥、花*花、丘みどり、トータス松本etc.

7位:愛知県
ザ・ピーナッツ、舟木一夫、狩人、八神純子、あみん、三船和子、松平健etc.

8位:広島県
小川知子、Perfume、島谷ひとみ、吉川晃司、JUJU、ポルノグラフィティetc.

9位:埼玉県
天地真理、日吉ミミ、沢田知可子、市村正親、反町隆史、小柳ゆきetc.

10位:沖縄県
南沙織、喜納昌吉、安室奈美恵、SPEED、DA PUMP、夏川りみ、三浦大知etc.

11位:千葉、12位:京都、13位:青森、福島、15位:静岡、16位:熊本・鹿児島、18位:三重・愛媛・大分・長崎

◆参考:外国籍、海外出身者
韓国、アメリカの他、台湾、香港、中国、イギリス、フィリピン、イギリス、ブラジル、モンゴル、ドイツ、イタリアなど。

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