「丘みどり第2章の始まりです!」 ドラマチックに歌いながら演じる新曲『雪陽炎』で堂々の復帰
第1子出産のため歌手活動を休業していた丘みどりが、2021年12月に開催されたリサイタルで半年ぶりに変わらぬ歌声を披露した。
新曲『雪陽炎』では、日本に昔から伝わる伝説「雪女」をテーマに情熱的な女心を歌う。
新曲のこと、復帰リサイタルのこと、そしてこれからの展望を聞いた。
――『雪女』の伝説をベースにした新曲『雪陽炎』は、ドラマチックな歌ですね!
私のコンサートで歌いながら演じる「幽玄組曲」というコーナーがあって、これまで先輩たちの曲をカバーさせていただいていましたが、今回の復帰リサイタルはオリジナル曲でいこうということになりました。そのコーナーのエンディングに新曲を歌いたくて、『雪女』をテーマに曲を作っていただきました。
――人間の男と許されない恋に落ちた雪女は、正体がバレたら人間を殺さなくてはいけないのに、愛する夫を殺せず、夫の元に子どもを残して自らが雪の中に消えます。
雪女って冷たいイメージがあると思いますが、本当は熱い情熱を胸に秘めていますよね。この曲は雪女の冷たさと内面の熱さとの対比がテーマになっています。いつも新曲をいただくと「どういう感じで歌おうかな」と考えながらレコーディングに臨みますが、この曲に関しては、いただいた時から「こんな風に演じたい」という絵がすぐに浮かんできました。
レコーディングより先にリサイタルのお稽古をしていたこともあって、すでに体の中にイメージが入っていたので、レコーディングでも歌いやすかったですね。
――丘さんは『丘みどり ミュージック・クリップス』も発売したくらいミュージックビデオ(MV)にこだわっていらっしゃいますが、今回も気合が入っていますか?
はい! 監督をはじめスタッフの皆さんとお話ししながら衣装を決めました。この衣装の他に何着か素敵な衣装を着ています。MVは丘みどりを知らない人が見ても「かっこいい」と感じてほしいと思っています。今はYouTubeなどでいろいろな人が動画を見るので、演歌を知らない若い人たちにも響くようなMVを作りたいというのが、今回のテーマの一つです。
――カラオケでかっこ良く歌うコツを教えてください。
曲の前半は歌うというより語るような感じで淡々と、特に2コーラス目は思い出を1人で振り返っているような調子で歌ってください。サビまでは独り言のように、サビでは燃えたぎる情念を爆発させて歌っていただけたらと思います。サビですごく盛り上がるので、カラオケで歌うととても気持ち良いと思いますよ。
――カップリング曲の『Rebirth』は「生まれ変わる」という意味ですね。
結婚と出産で半年間休んで、今回が丘みどりとして第2章の始まりだと思っているので、そういった気持ちをギュギュッ! と込めた曲を歌いたいと作詞の森坂とも先生にお願いして作っていただきました。歌詞の内容もメロディも今の丘みどりだからこそ歌いたい曲で、リサイタルでも1曲目に歌いました。
「ここからまた頑張るのでよろしくお願いします」という気持ちと、「いろいろなことがあるけれど、私はこれからも頑張って続けていきます」という気持ちが含まれているので、この曲はすごく思い入れが強いです。
――未来へと羽ばたくような歌詞がとても印象的です。
この曲の歌詞を読んだ瞬間、涙が出ちゃいました。復帰リサイタルで泣かずに最後まで歌えるだろうかと思ったくらい、今の心境にぴったり合っています。「素敵な歌詞を書いていただいてありがとうございます」と森坂先生にお礼を申し上げました。
――半年間お休みして、復帰リサイタルへの不安はありましたか?
お休みする前もコロナ禍でほとんどコンサートができませんでしたし、やっぱり不安は大きかったですね。去年開催する予定だった15周年コンサートも延期になったので、皆さんの前で歌うのは約1年半ぶりでした。久しぶりに会場いっぱいのファンの皆さんに会える喜びは大きかったのですが、歌詞を間違えたらどうしようとか、フリが合っているだろうかとか、いろいろと心配でした。でもステージに立った途端、皆さんから温かい声援をいただいて、「幸せだな、楽しいな、歌うのが大好きだな」って改めて感じました。
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