純烈 新曲『君を奪い去りたい』でますますパワーアップ! 「働き盛りの僕らが活動しないと日本が止まっちゃう。純烈は『やる!』の一択なんです」
グループ初の明治座座長公演、初主演映画の公開、初めての主演ドラマ、そして4度目の『NHK紅白歌合戦』出場と大活躍だった昨年に続き、今年も全力で走り続けている純烈。
新曲『君を奪い去りたい』への想いと、コロナ禍に負けず全国を回る彼らの「心意気」をお届けする。
――新曲『君を奪い去りたい』はどこか懐かしさを感じる曲ですね。
酒井 僕らのコンサートに来てくれるお客様に若い方が増えています。最近はお母さんと娘さんで来てくれることも多いですね。そんな状況を作詩・作曲の幸 耕平先生にお話しして、先生が書いてくださったのがこの曲。80年代後半や90年代初頭に誰もが聞いたことのあるような曲調で、「懐かしさ」がコンセプトです。ビジュアルも一世風靡セピアや竹の子族をイメージしました。
――一世風靡セピア! 確かにそんなイメージです。
酒井 娘さん世代から見たら「君を奪い去りたい」って「ダサい! なんでこんな服着てんねん!」って笑うかもしれないけど、お母さん世代には懐かしい。そしてコアなファン層のマダムにとって、「君を奪い去りたい」は白川に耳元で囁いてほしい言葉ですよね。結果的にみんなが笑顔になります(笑)。
後上 最初に歌詞を読んだとき、純烈でいうと『愛をください〜Don’t you cry〜』みたいな、熱く切ない印象でした。でも楽曲を聞いたらそっちじゃない。めちゃくちゃ明るくて、どっちかというと『純烈のハッピーバースデー』みたいで、歌詞と楽曲のギャップが新鮮でしたね。お客さんもムード満点に「君を奪い去りたい」と言われるよりも明るく言われた方が、「爽やかだけど、スゴイこと言ってる!」って、ドキッとするんじゃないかな?
白川 「君を奪い去りたい」って、男は照れくさくてなかなか言えない言葉だけど、好きな人から言われたらきっとゾクゾクしますよね。ファンの皆さんの中にも「奪い去られたい」気持ちが少なからずあると思うので、一人でも多くの方にときめいていただけるとうれしいです。
小田井 実はこの曲、「奪い去りたい」って言っているだけで、本当に奪い去っているわけではないんですよ。「♪ドゥワドゥワ」って明るいコーラスが入るけど、暗い曲だったら「♪ドゥワドゥワ」なんて言わないです。“略奪愛”だけど明るいノリなのが、純烈らしいと思います。
白川 そうそう。いけないことだけど、「2人で知らない国に行って暮らしたいよね(ハート)」みたいな、人目を忍ぶカップルの妄想かもしれません。
――CDはAタイプとBタイプがありますが、Aタイプのカップリング曲『来た道行く道』はムード歌謡的。及川眠子先生が初めて歌詞を手がけられました。
酒井 以前から眠子先生に書いていただきたくて、ようやく願いが叶いました。純烈は健康センターで歌う前に、「ハリウッド」(2018年に閉店した伝説のキャバレー)で歌っていて、そこにお客さんとして来ていたのが眠子先生でした。当時のメンバーと面識があったので、「エヴァンゲリオンの人だ!」と話をさせてもらいました。先生は、「あんたたち、まだまだね。私に書いてもらうくらい頑張って!」と圧倒的なオーラで(笑)。最初から純烈の活動を見てくれていた貴重な方です。
白川 リード曲とはガラリと変わってムードがありますね。僕はアップテンポよりスローテンポが好きなので、歌っていて気持ちがいいです。この歌を好きになってくれる方がたくさんいると思うので、皆さんの反応が楽しみですね。
後上 初めて聞いたとき、すごく新鮮に感じました。4〜5年前のシングルとかカップリングではよく聞いていた曲調なのに新鮮に感じたということは、純烈もだんだんポップスに幅を広げてきたということですよね。「もともとこっちが原点だったな」としみじみ思いました。
小田井 僕は『君を奪い去りたい』のその後の歌じゃないかと思うんです。略奪愛の2人は明るく振舞っていたけど、この曲の悲しさが本当の彼らの気持ちなのかな、みたいな。
――リード曲とカップリングでストーリーになっているという見立てですね。
小田井 あくまでも僕の想像ですが、そう思って聞くとまた違う印象で聞こえると思います。Aタイプはカップリングを含めて1つの物語みたいな感じがしますね。
――Bタイプのカップリング曲『愛は大丈夫』はいかがでしょうか。こちらも歌詞は及川眠子先生です。
小田井 『君を奪い去りたい』の2つ目の結論じゃないかと思います。こっちの曲は「まだまだいけるやん、俺ら! 俺らの愛は大丈夫よ♡」って。
酒井 うーん、どうだろう?(笑)。曲調的にお客さんと一緒に歌える曲ではあるよね。
後上 僕はコンサートの帰りの飛行機の中でこの曲を聞いたら、コロナ禍が落ち着いてマスクを取ったお客さんたちが、「♪愛は大丈夫!」と大合唱している光景が頭に浮かびました。
白川 歌って正解がないし、捉え方も十人十色ですよね。それぞれがハッピーな気持ちで捉えてくれたらいいなと思います。「私のために歌ってくれているんだ」と、お客さんが思い思いに感じてくれたらいいですね。
――Aタイプのジャケットを漫画家の東村アキコさんが手がけられたのも話題です。
酒井 東村さんとは、僕が純烈を結成する以前、新宿のロフトプラスワンというイベントスペースのプロデュースをしていたときに知り合いました。ずっと現役で描かれている方なので、東村さんのコミックスを読んで育ってきた世代にも、若い世代にも楽しんでいただけると思います。
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