【「うたびと」オープン記念】北山たけし独占インタビュー

2019.5.15

「ハートが大事!」――師匠の教えを胸に、これからも歌っていきます

━━人生の応援歌からご当地ソング、ムード歌謡とこれまでさまざまな楽曲を歌い、演歌・歌謡シーンを盛り上げてきた北山たけしさん。デビュー15周年を迎えた昨年は、師匠・北島三郎さんが命名した大江裕さんとのユニット・北島兄弟でNHK紅白歌合戦に出場。披露した『ブラザー』は「輝く!日本レコード大賞」企画賞を受賞するなど話題となった。今年2月には、北島兄弟第2弾シングル『兄弟連歌』をリリース。ロック調だった前作とはがらりと変わってポップな歌詞とメロディーが特徴だ。

「『ブラザー』は裕と互いに競い合って、吠えていくような楽曲でしたが、『兄弟連歌』は、喧嘩しても仲直りしようよ、支え合い、分かち合っていこうねと、2人で会話のキャッチボールをしているような曲。大切な人や絆で結ばれている人と一緒に歌うと、その人のことをより身近に感じられると思います」

━━弟分・大江裕さんのキャラクターについて、「喋り方から仕草まで真似しちゃうくらい師匠が大好きで、師匠のすべてを受け継いでいるよう」と語る北山さん。そんな北山さん自身も、幼少期は北島三郎さんのことを仏様か観音様かくらいに思っていたのだとか!?

「プロ歌手を目指していた父親が、師匠の大ファンで、毎朝、家に貼ってある大きなポスターに手を合わせていたんです(笑)」

 

━━そんな父親から夢を託され、小さい頃から演歌を聞き、発声などを学んできた北山さんが、プロを目指して歩を進めたのは、21歳のとき。16歳のときに弟子にしてもらうべく訪れたものの、「未成年だから」という理由で帰された北島三郎さんの元へ、再び単身乗り込んだのだ。

「10日間、通い続け、ようやく会ってもらえたのですが、師匠から言われたのは、『歌手になるつもりでここに来たのなら帰りなさい。でも、一回、歌手の夢は捨てて、ここで人として大切なことを学びたいと思うなら付いてきなさい』という言葉でした」

━━憧れの師の元で学べるならと、一度は歌を捨て、付き人になった北山さん。しかしその後の8年間の生活が、今の“うたびと”北山たけしの活躍の大きな土台になっていると言う。

「師匠は下積みが長かったので、まわりの人たちをすごく大切にするんです。俺がステージに立てているのはみんなのおかげ、スタッフが支えてくれるから俺はここにいられるというのが口癖で、付き人の僕にも『ありがとな』と言ってくれる。そういう姿を見てきたからこそ、表舞台に立てるようになった今、僕自身も、今日も照明さんがいい感じに照らしてくれているなとか、スタッフやファンの方々、皆さんに支えられているありがたさを身に染みて感じられている。デビューは30歳と遅かったですが、修行して本当に良かったと思っています」

 

━━そんな北山さんが“うたびと”として大切にしているのは、やはり師匠から学んだ心掛けだ。

「デビュー直前に言われた『お前よりうまいやつは世の中にいっぱいいる、いい声の人もたくさんいる。何が人を感動させるか、それはハート。ハートを大事に、しっかりお客さんに届けという思いで歌うことを心がけなさい』という言葉を今もずっと大切にしています」

━━デビュー当初は“北島三郎の弟子”という大きな看板がプレッシャーだったが、10年を経た頃から、「自分自身の歌に自信が持てるようになり、歌の楽しさをプロとして感じられるようになった」と微笑む北山さん。最後に今後の抱負を聞いた。

「演歌の魅力は生活に寄り添えるところだと思うので、令和の時代に残せるような、日本の心の演歌を歌っていきたいですね。あと、北島兄弟では、裕と2人、力を合わせて『これ、演歌? 新しいね』と言ってもらえるような、また、演歌を知らない若い世代にも『いいね』と言ってもらえるような楽曲にチャレンジしていきたいと思っています」

作品情報

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北島兄弟「兄弟連歌」

大地土子(大野 誠)氏の遺作の1曲。カップリングには、生前、大地土子氏から北山たけしに直接託された詞に、北山たけし本人が作曲した感動の1曲「手紙」を収録。カップリング違いでテイチクと日本クラウンより同時発売 2019年2月25日発売/¥ 1,204(税抜)/TECA-13913

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