藤あや子がデビュー35周年の締めくくりを記念して北島三郎の名曲『女がひとり』をカバーリリース 「北島先生は私の歌を聞いて、無言でうなずいて拍手をしてくださいました」

2023.4.26

昨年6月にデビュー35周年を迎えた藤あや子。周年の締めくくりとしてリリースする記念シングル『女がひとり』は、尊敬する北島三郎が1985年に発表した女歌。38年の時を経て、藤あや子流令和演歌として蘇らせるに至った経緯や、35年の歩みを経て、歌手として、また愛猫“マルオレちゃん”のママとして、ジャンルを超えてますます広がる交友関係や活動についての思いを聞いた。


━━新曲『女がひとり』をリリースすることになったのは、昨年の『芸道60周年 北島三郎 明治座ファイナルコンサート』を鑑賞された際に、藤さんがこの歌に感銘を受けたことがきっかけだったそうですね。

そのコンサートで原田悠里さんが歌われたのを聞いて、「すっごくいい歌!」って思いまして、終了後に楽屋にご挨拶にうかがったとき、北島先生に「あの歌、いいですね! 私、歌いたいです!」ってお願いしたんです。

━━女ごころの強さと切なさが胸に沁みる「艶歌」ですが、具体的にどのような部分に魅せられたのですか?

切ないけれど、健気に前向きに生きていく女性という設定が、私の代表曲でもある『こころ酒』や『むらさき雨情』の主人公とすごくダブったんです。ほかにも私は今まで、芯が強く、悲しくても前向きに生きる女性を数多く歌ってきましたので、歌手としてというより、プロデューサー的なひらめきで、「これは藤あや子が歌ったら生きる歌だ!」と図々しくも思いました。

━━では、レコーディングは苦戦することもなく、順調に終えられた?

それが、歌いたくてしかたなかったから、とにかくうれしい気持ちで臨んだんですが、聞いた感覚と歌ってみるのとではすごくギャップがありまして。三拍子の歌なので穏やかな、ふわ~んとした印象ですが、そこはやっぱり北島先生の曲だけに、簡単に歌えそうで歌えない。一言で言って難しいんです。音域もめちゃくちゃ広くて、先生なら簡単に声が出るのかもしれませんが、女性の声帯にはけっこうキツくて。35年間女歌を歌ってきましたが、この歌はかなり手ごわかったです(笑)。

━━カップリングの『人恋海峡』も北島三郎さんの作詞・作曲で、本作のために書き下ろしてくださったそうですね。

本当にありがたいことに、私からお願いしたところ、快くノリノリで書いてくださいまして(笑)。子どもの頃から大スターだったレジェンドと、先輩・後輩という間柄だけでもありがたいことなのに、作品を作っていただくとなると師弟関係になるわけですからね。そういう関係が築けたことは私の大きな財産だし、これからの歌手人生にも生きてくると感謝しています。

━━レコーディングを終えて、先生からは何かお言葉がありましたか?

ちょうど歌入れが終わった後に先生がレコーディングスタジオにいらっしゃったので、録音した歌を聞いていただいたんですけれど、曲が終わると無言でうなずいて、拍手をしてくださいました。本当にうれしかったです。35年歌ってきて一番のご褒美で、寿命が5年くらい延びました(笑)。

━━人との繋がりという意味では、昨年開催されたジャズも含めた洋・邦楽カバー曲の単独ライブに、ギタリストの原田喧太さんが友情出演されるなど、この35年間でジャンルを超えた交友関係が広がっているのではないでしょうか。

これはどんな人にも言えることだと思うのですが、人とのご縁を大事にしないと、せっかくのチャンスを逃してしまうことがありますよね。この人、なんかちょっと違うなと思っても、とりあえず出会ったご縁をまずは繋げて、そこから広げていくかどうかは自分の気持ち次第。私の場合は、普通ではあり得ない人たちと出会えるチャンスをいただけたときに、ジャンルの枠を超えて躊躇なく楽しめるので、ご縁が繋がっているのだと思います。

━━そういう人とのご縁や繋がりは、歌手としての表現力にも生きていると思われますか?

いろいろなジャンルの方とお付き合いするのは、すごく自分のプラスになっていると思いますね。例えば、千鳥のノブさんとも仲良くさせていただいているのですが、第一線の芸人さんとお話すると、仕事の分野は違っても夢に向かって進む姿は一緒だし、お互い刺激し合っていい方向に行きたいよねって、自分の励みになるんです。あと、B’zの松本孝弘さんや氷室京介さんともお食事をご一緒させていただくことがあるのですが、レジェンドと言われるような方たちなのに人間味があって魅力的。やっぱり人間力のある方がトップにいらっしゃるんだなって、本当にたくさんのことを学ばせていただいています。

━━愛猫・マルオレちゃんがきっかけのご縁も広がり、今やTwitterのフォロワー数は31万人超え。中には藤さんの歌を知らなかったという人たちも大勢いるそうですね。

そういう人がほとんどですよ(笑)。「マルオレちゃんのお母さんって、藤あや子だったんだ!」って言われることもあって、それが新鮮ですごくうれしいんです。「今度、歌を聞いてみる」とか「コンサートに行ってみる」とか、そんなコメントを見ているだけで癒されます。仕事の現場でも若手の方々に、「マルオレちゃん、見てます」とか「フォローしてます」って言われることが増えて。それまでスタッフの方々とお話する機会はそんなになかったのに、今はマルオレちゃんをきっかけに会話が弾んで、歌手として対峙していたのとはまったく違う感覚で会話ができるようになりました。「うちの子、可愛いから見て~」っていう単純な気持ちで発信を始めただけだったのに、人のご縁って不思議ですね。

━━チャリティーグッズ販売による収益金を寄付するなど、保護猫活動にも力を注がれています。

外で暮らしていたマルオレちゃんは、保護されてうちに来なければ、生きていたかどうかわからなかった猫でした。そういう子たちが世の中にはまだまだいっぱいいますので、マルオレちゃんみたいに幸せになってほしいという思いで、自分にできることはないかと考えました。2月22日の“にゃんにゃんにゃん”の日と、9月8日を“クロネコ”と“ハチワレ”の日と決めて、年2回チャリティーグッズを販売して、皆さんのご協力による収益金を全額寄付させていただいています。この経験を通して、「保護猫活動をされている方ってこんなに多いんだ」とか、「全国にこんなに保護猫カフェがあるんだ」など、さまざまなことを知りました。地球は人間中心ではないし、生き物は共存していかなければいけないという自分への自戒も含めて、マルオレちゃんのおかげでたくさんのことを学べています。

━━35年のキャリアを築いても、まだまだ前向きに「学ぶこと」を大切にされているのですね。

コロナ禍もマイナスに考えずに楽しいことをして時間を使いたいと思って、マルオレちゃんのTwitterやギターの練習を始めたのですが、もともとの性格が前向きなのかもしれませんね。私、小学6年生のときから野口五郎さんの大ファンで、部屋中ポスターだらけだったんですけれど、歌手になってご本人にお会いしてデュエットできたとき、「小6の自分に、がんばれば夢は叶うって伝えてあげたい!」と思ったんです。そんなふうに、いつも前を向いて、「今が幸せ」と言える生き方を、これからもずっとしていきたいですね。

━━北島さんはじめ、五木ひろしさんや加山雄三さんなど、大先輩たちが紅白の舞台やコンサート活動からの引退を表明され、これからの演歌・歌謡曲界を背負っていくお立場としても期待されています。

演歌は衰退していると言われてきましたが、今、男女とも若手がだいぶ増えました。ほんとうにありがたいし、「演歌はそうそうなくならないぞ!」と、若い後輩たちが支えてくれているようで安心しています。私自身は、35年かけて培ってきた藤あや子にしか出せない演歌を大切にすることはもちろん、いろいろなジャンルの歌も歌っていきたいと思っています。

━━ちなみに、ジャズ、洋楽、邦楽、演歌と、ジャンルの違う歌を歌うとき、歌い方を変えるなど意識されていることはあるのですか?

これは私の特徴だと思いますが、切り替えて歌おうと意識することはまったくなくて、スイッチがいつの間にか切り変わっちゃうんです。イントロが流れた瞬間から、その歌の主人公が憑依するという表現がぴったりかもしれませんが、根本は音楽が好きだからだと思います。子どもの頃からロックが大好きで、演歌だけを聞いてきた人間ではないので、すべての歌に対して貪欲で、その時歌っているものが一番心地いいんです。幸せな性格ですよね(笑)。

━━以前のインタビューで「“マルオレフェス”を開催するのが夢」とおっしゃっていましたが、順調に進んでいますか?

牛歩ですが、進んでいます! フェスのために曲を作ろうとか、詞は自分で書こうとか、考えている時間が楽しくて(笑)。構想はかなり練っていますよ。

━━最後に読者へメッセージをお願いします。

自分の好きなことを楽しんでやっていくという姿勢が、私にとってプラスに働いていると思います。これからも楽しみながら、2刀流、3刀流で(笑)、がんばっていきます!

藤あや子 デビュー35周年記念シングル『女がひとり』

藤あや子「女がひとり」

2023年4月26日(水)発売

品番:MHCL-3026
価格:¥1,300

【収録曲】
1. 女がひとり(作詞・作曲:原 譲二/編曲:南郷達也)
2. 人恋海峡(作詞・作曲:原 譲二/編曲:南郷達也)
3. 女がひとり(オリジナル・カラオケ)
4. 女がひとり(一般用半音下げ・カラオケ)
5. 人恋海峡(オリジナル・カラオケ)
6. 人恋海峡(一般用半音下げ・カラオケ)

ご購入はこちら:https://fujiayako.lnk.to/BnUZph

『女がひとり』予約・購入特典決定のお知らせ

2023年4月26日(水)発売となる、北島三郎作詞・作曲・プロデュース藤あや子シングルCD『女がひとり』の店頭特典が決定!

対象となるCDショップ/オンラインサイトにてシングルCD『女がひとり』(MHCL-3026)をお買い上げいただいた方に、先着で下記の特典を差し上げます。特典のお渡しはご予約者優先となり、各店舗で無くなり次第終了いたしますのでぜひ奮ってご予約下さい。

■全国CDショップ応援店/オンラインサイト特典

藤あや子35周年オリジナル・手ぬぐい(非売品)

➤応援店特典対象店舗一覧はこちらからhttps://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AyakoFuji/shoplist/230426/

➤オンラインサイトはこちらからhttps://fujiayako.lnk.to/BnUZph

※全て数量限定・予約優先での先着順配布となります。
※特典は数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。予めご了承ください。
※対象店舗は一部を除きます。詳しくは各店舗までお問い合わせください。
※対象店舗以外での配布はございません。予めご了承ください。

■Amazon.co.jp(ECサイト)特典

メガジャケ(複製サイン入り)
※メガジャケとは、Amazon.限定特典の24cm x 24cmの大迫力の大きなジャケットです。

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