伍代夏子が41年目の新曲『時の川』をリリース 「『いろいろあったけど今が幸せ。私の人生、正解』と伝えたい」

2023.5.31

充実の40周年イヤーを駆け抜けた伍代夏子が、ファン待望の純演歌『時の川』をリリース。女性の人生を時に激しく、時に穏やかに流れる川に例えた歌詞は、決して順風満帆なだけではなかった歌手人生を、そして強くしなやかに歩んできた彼女の人生そのものを表しているようだ。昨今はYouTubeやインスタグラムで1歳になったばかりの愛犬・陸くんへのメロメロぶりや、40代以上の女性演歌歌手で結成した「美魔女艶歌卓球部」の活動といったプライベートも発信。公私ともに充実する日々について聞いた。


──伍代夏子としてのデビュー曲が『戻り川』。そして41年目の新曲が『時の川』と原点回帰を感じませます。

そうですね。ここからまた1年生になったつもりで、改めて“川”をテーマにしました。だけど若い頃には歌えなかった“時間という川”に向き合ってみたいという想いを込めて、歌詞を田久保真見先生にお願いしました。ただ歌うだけならとても簡単な歌です。メロディもシンプルでリズムもきちんとしているので、サラッと歌えちゃう。だけど裏に含んだニュアンスを歌に込めようと思ったら、とてもとても難しい歌でした。

──川をたゆたうようなテンポにコロコロと回るこぶしも心地良いですが、どんなところが難しかったですか?

この歌はひたむきに生きることの大切さを歌っています。壮絶な恋もした、裏切られて涙したこともあった。『だけど私の人生、正解だった』ということがわかる年齢になりました。『ただひたむきに生きてきた。でも今、とても幸せ』というメッセージが伝わればうれしいですね。

──深いですね!

そう、でも重くない。だから難しいです。川の流れに身を任せているようで、『どこに流れ着いても自分を見失うことはない』という境地を歌っています。でも、カラオケで歌うときは気負わずに、伸び伸びと軽やかに歌っていただければ、こんなに気持ち良く歌える演歌はないですよ。

──インスタやYouTubeを拝見していると、伍代さんも「今がとても幸せ」と感じます。

(愛犬の)陸に振り回されていますけど(笑)。今は完全に陸中心の生活です。

──愛犬の陸くんは2月に1歳になったばかりとのことですが、そもそも彼を迎えたきっかけは?

一昨年、声が出ない病気になったときに、お医者さんから『1人の時間を作りなさい』と言われました。そう考えると、私は子どもの頃から1人が好き。賑やかな家庭で犬がいつも5~6匹いて、それはそれで楽しかったけれど、1人で部屋にこもってコツコツ物を作ったり、考え事をしたりするのが大好きでした。今もカメラをいじったり、ミシンを踏んだり、1人の作業が性に合っています。『声が出なくなってもいい』と割り切って、1人で夜更かししてネットを見ていたら、ご近所のショップで陸を見つけました。ちょっとショップを覗いてみて、もしまだそこにいたらわが家に迎えちゃおうと。それがご縁でしたね。

──では、常にたくさんの人に囲まれる歌手生活は……。

それはそれで今までは平気でした。円形脱毛症になったことはありましたけど、そんなこともあるかと思って気にしませんでした。ただ、やはり長年のストレスは溜まっていたのかもしれません。若い頃は気力で乗り切ってきたけど、60歳になって気力だけでは耐えられない年齢になったことが喉に影響してしまったようです。

──陸くんのお話に戻りますが、陸という名前にはどんな思いを込めましたか?

白いダックスフンドなので、『ジャングル大帝』のレオにちなんで“レオ”という名前もいいなと思いました。でも、大地を颯爽と駆け抜けるイメージで“陸”もいい。『五大陸』にかけて、“伍代陸”くんにしました。いつか2匹目、3匹目をお迎えしたら、“空”、“海”と付けようと思っています。陸・海・空で軍隊じゃないですけど(笑)。

──伍代さんを護衛してくれそうですね(笑)。

ふふふ。陸もずいぶん頼もしくなってきましたよ!

──1人が好きと言いつつも、「美魔女艶歌卓球部」(島津悦子、石原詢子、多岐川舞子、大石まどか、みずき舞、椎名佐千子)を主宰するなど、人をまとめることもお得意ですね。

今まであえてそういったことはやってきませんでしたが、急に、『やっちゃおう!』と思いたちました。この7人は卓球部を始める前からよく集まる仲でしたし、みんなが喜んでくれると私もうれしいので、思い切って作ってみました。

──どのような思いで結成されたのでしょう。

コロナ禍で仕事が減っていく中で、寄り添い合える仲間がいるのは心強いと感じました。歌手という生き物は、先の見えない不安をいつも抱えています。ヒットするかどうかなんて誰にもわからない。それは結婚していても、していなくても同じです。だからこそ、ここ(卓球部)では仕事の匂いを出すことは禁止しています。ライバル心もね。もちろん、個人的にはあるかもしれないけれど、ここでは出さない。『苦しいときって誰かを妬んだり、ネガティブな気持ちになったりしがちだけど、それは違う。それよりも一歩高いところに行こうよ!』というのがこの卓球部の裏テーマです。だからひたすら体を動かし、食べ、飲み、しゃべり、心も体もリフレッシュして、『いい歌を歌おうよ!』という会ですね。恋バナもしますよ (笑)。

──誰を恨むことなく、ただひたむきに自分の信じた歌の道を行く──。まさに『時の川』の境地を体現されているメンバーです。

そうですよ! みんな何十年も歌だけでやってきたわけですから、ちょっとやそっとじゃ揺らがない。だから一緒にいて楽しいです。私の声が出なくなったとき、こぞって外に連れ出してくれたりして、その思いやりがうれしかったですね。

──では最後に『時の川』を聞いてくださるファンのみなさんにメッセージを。

私のお客さんにも『お父ちゃんが亡くなって』などという方がけっこういらっしゃいます。だけど女性って強いですから、すぐに元気を取り戻して、お友だちとワイワイやったり、誰かの推し活に励んだり。そんなふうに自分軸で生きている女性のみなさんに、この歌で改めて『いろいろあったけど今が幸せ。私の人生、間違ってなかった!』と思っていただけたらうれしいですね。ミュージックビデオは『雪中相合傘』『人生にありがとう』に続いて、若い感性にあふれたチームに作ってもらいました。とてもスタイリッシュな映像に仕上がっているので、こちらも一緒に楽しんでくださいね。

伍代夏子『時の川』

伍代夏子「時の川」

2023年5月31日(水)発売

品番:MHCL-3036
価格:¥1,300

【収録曲】

1.時の川(作詞:田久保真見/作曲:徳久広司/編曲:南郷達也)
2.千本曼殊沙華(作詞:田久保真見/作曲:若草恵/編曲:南郷達也)
3.時の川(オリジナル・カラオケ)
4.時の川(一般用半音下げ・カラオケ)
5.千本曼殊沙華(オリジナル・カラオケ)
6.千本曼殊沙華(一般用半音下げ・カラオケ)

伍代夏子『時の川』MV

 

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