長山洋子の新曲『美味しいお酒 飲めりゃいい』が発売中 「いい仕事ができた後のお酒は、やっぱり美味しいですね」

2023.7.24

発売中の新曲『美味しいお酒 飲めりゃいい』が大好評の長山洋子。長かったコロナ禍が落ち着き、気兼ねなく仲間と楽しくお酒が飲めるようになった状況を受けての新曲は、自身が初めて手がける“大人の女性たちへのメッセージソング”だ。デビュー40年目、演歌歌手として30週年という節目の年を迎える長山に、新曲の裏話や今後の展望について話を聞いた。


――発売されたばかりの新曲『美味しいお酒 飲めりゃいい』にかける意気込みをお聞かせください。

ずっと大変だったコロナ禍が落ち着いて、ようやく気兼ねなく仲間と美味しいお酒を飲めるようになってきました。そんな世の中の空気感にピッタリマッチした、シンプルにストレスを解消していただける歌ができたと思います。タイトルからしてわかりやすい『美味しいお酒 飲めりゃいい』という歌です。やっぱりストレスが一番体に良くないと思うのですが、この歌は聴いた方がちょっとでも元気になるような一曲に仕上がっていると思います。金曜日の夕方に聴いていただきたい曲ですね(笑)。

――今回の新曲を初めて聴いた時の感想は?

タイトルを見て歌詞を読んだときに、私の曲としては珍しい“大人の女性たちへのメッセージソング”だなと思いました。でもこの曲のテーマはすごく好きでしたね。ミュージックビデオでは、一般の女性たちが仲間と笑顔でお酒を飲んでいるシーンをたくさん取り入れていて、すごく楽しいビデオになっていると思います。
デモテープを聴いた時には気がつかなかったのですが、実際に歌ってみると、水森英夫先生が私のいい声が出るところを狙ってメロディをつけてくれたんだなとすごく感じましたね。

――レコーディングは順調でしたか?

水森先生は、私にはやさしいんですよ(笑)。すごく気を遣ってくれていて、私の方から「先生、本当のこと言ってくださいね」ってお願いするくらい(笑)。今回の曲の前に水森先生に作ってもらったのは『洋子の…新宿追分』という2007年の作品なんですよ。だから、もう16年も間があいていたのですが、新曲の出だしを聴いてもらったら「声が全然変わってない!」とおっしゃってくださったんです。「その声がほしかった」と言ってくださって、思わず「褒めないでください」と言ってしまいました(笑)。

レコーディング自体は順調に進んだのですが、普通に歌い終わってしまうのもおもしろくないということで、3コーラス歌い終わった歌の一番最後のところに「ウイッ!」というのを入れてみました。今はコンサートでの声出しもOKになってきているので、お客様たちに掛け声をかけてもらおうということで。お客様たちが照れてやってくれないんじゃないかと思ったりもしたのですが、思いのほか皆さんやってくれたのはうれしかったですね。今まで我慢していたものを発散してくれているみたいです(笑)。

――今回の新曲で、長山さんが共感した点はありますか?

曲の出だしにあるような、「似たような嘘に何度も泣かされた」経験もありますし(笑)、若いうちからこの業界にいると、思ったことの半分も言えないで「愛想笑いが癖になる」みたいなことはあるんですよね。本当にそのへんは、麻こよみ先生が私の性格や人生をなぞって歌詞を書かれたんじゃないかと思うくらい(笑)。麻先生は「違う」とおっしゃっていましたけど、なかなか普段は口に出しては言えない“弱点”を突かれている感じです(笑)。

――カラオケで歌う時に気をつけるといいポイントを教えてください。

やっぱり、掛け声ですね。サビの「それでも」の後に「洋子!」と言ってもらっている箇所があるのですが、カラオケに一緒に行ったお仲間に下の名前で掛け声をかけてもらうと一体感が生まれて、楽しく盛り上がれると思います。あとはテンポに身を任せて歌えば、気持ちよく歌える曲だと思いますね。やっぱりお酒を飲みながら歌うのが、一番気持ちよく歌えるポイントかもしれません(笑)。

――カップリングの『だから怖いの』は、『美味しいお酒 飲めりゃいい』とはまた違った雰囲気の曲ですね。

ジャズっぽい感じですね。「長山洋子のジャズが聴きたい」というディレクターの提案から生まれた曲なのですが、私はこれまで本格的なジャズはやったことがないので、スタッフも不安だったのでしょうね。でも何回か私が歌ったのを聴いてもらったら、「長山のジャズ、行けそうだね」という話になりました。

この曲は、雰囲気はジャズに近寄った部分がありますが、言葉がはっきり伝わるように歌い方などを工夫しています。おかげで、普段は使わないような声の音色が出たような気はしているので、ぜひ聴いてみていただきたいですね。

――新曲を引っ提げての2023年後半戦に突入ですが、今年挑戦してみたいことや目標はありますか?

初めての挑戦でジャズっぽい曲を歌っているので、このまま終わらせたくないという想いはありますね。コンサートで『だから怖いの』を歌うことも考えたのですが、プログラム的に厳しい部分もあるので、それこそジャズバンドがライブハウスでやっていたら飛び入りで歌わせていただくのもおもしろいかなと思っています(笑)。

それから、私は津軽三味線が離せないので、ジャンルを超えて素敵なロック・ギタリストのオジサマたちとコラボができたら楽しいだろうなと思っています。去年のNHK紅白歌合戦でやっていた「桑田佳祐 feat. 佐野元春、世良公則、Char、野口五郎」の雰囲気にはシビレましたね。アドリブ満載で、ああいうのがしっくりくるんですよね。年齢的にもいい感じだと思うので、そんな素敵なオジサマたちを探しています(笑)。

――来年がデビュー40年、演歌歌手としても30年という節目ですが、これまでの歌手人生を振り返っていかがだったでしょうか?

私はもともと演歌歌手でデビューする準備をしていたのが、急遽アイドル歌手でデビューすることになって、約10年のアイドル時代があるんですよね。その後すぐに演歌の道に進んで、気がつけばアイドル時代よりずっと長く演歌を歌わせていただいています。そんな私だからこそ、アイドル時代の10年を大事にしなくてはいけないと思うようになったんです。今やっておかないと、できなくなるかもしれないしね(笑)。それで去年くらいのコンサートから、私の歌人生であるアイドル・民謡・演歌をギューッと凝縮したメドレーを作って歌うようにしています。そこで毎回アイドル時代の人気曲『ヴィーナス』を歌っているのですが、けっこう反響があるんですよ。「あっ、これは間違いじゃなかったな」と思っています。

――今後歌手としての目標は?

私たち演歌界だけでなく、音楽業界全体が今、とても難しい時期に入っていると思うんです。私が子どもの頃はアイドルも演歌も関係なく登場する歌番組があって、視聴者も違和感なく楽しんでいた。でも今は、ジャンルによる線引きみたいなものがあって、お互いにどこか踏み込めなかったり近寄りがたい部分があったりする。でも、他ジャンルの音楽に興味のあるアーティストもたくさんいると思うんです。だからジャンルを超えて提供された楽曲を歌うとか、コラボするといったことは、テーマにしていきたいですね。まったく違うジャンルのアーティストが私の『じょんから女節』を聴いて「いいね」と言ってくれたこともあるのですが、他ジャンルの方が知らない演歌の名曲や私たちが知らない他ジャンルの良い曲はたくさんあると思うんです。だから、日本の「歌謡界」としてジャンルを超えた動きができるといいなと常に思っています。

――そういうものを次の節目の年に向けて模索していきたいということですね?

そのためにも、身体は大事にしなくてはと思っています。私の周りには、まだまだ現役バリバリで声が出て体力がある先輩方ばっかりなんですよ。そういうお手本がたくさんいらっしゃるので、私も80歳までは三味線の立ち弾きができるようにするという目標は持っています。「最近、ちょっと疲れてきたな」とは絶対に思いたくないですね(笑)。

――「80歳まで三味線を立ち弾きする」ために、体調管理や健康面でこだわっていることは?

ストレスを溜めないことですね。私はもともと我慢強かったり変に根性があったりする部分があるので、「できなくはない」と思って少しぐらい無理をしてもやってしまうところがあるんですよ。でも最近は、「自分の人生にもやさしくつきあってあげないとかわいそうだな」と思うようになってきたんです。それと同時に、「細かいことを気にしても疲れるだけだ」ということも、ようやくわかってきました。その二つに気づいたことで、ストレスが溜まりにくくなってきているような気がしています。それが一番の健康管理かもしれませんね。

お客様の前に出ると、「本当によく来てくれました」という思いを伝えたいという気持ちが先だって、すべてに全力投球で心の余裕が全然ないといったことがこれまで続いていたのですが、最近は少しずつ心に余裕をもって歌やステージに臨めるようになってきました。こうした心の余裕を持つことで、お客様に120%楽しんでいただくように心を配ることができるようになってきたように思います。思うようにいかないことや我慢しなくてはいけないことがあるとそれがストレスになるので、心に余裕を持つこともストレスを溜めないためのポイントなっているように思います。

――プライベートでのストレス発散方法はありますか?

ウチ、卓球台があるんですよ。普段は折りたたんで車庫に閉まっているのですが、休みの時にその車庫で卓球をするのに最近けっこうハマっています。車庫で卓球をすると、熱気がこもって蒸し風呂みたいになるんですけどね(笑)。でも、いい汗かいています。
あとは野球観戦ですね。私はよく神宮球場に行くのですが、ナイターだといい風が吹いて気持ちいいですね。最高です。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

新曲のタイトル通り、「美味しいお酒を飲んで、歌って、人生を楽しく生きようよ」という私が最近飲んだ美味しいお酒は、仕事終わりに、ちょっと早めの時間からお蕎麦屋さんで飲んだ桝酒でした。いい仕事ができた後のお酒は、やっぱり美味しいですね。次の日にお仕事がなければ、なおいい(笑)。私は(仕事の前日に)お酒を飲むと次の日が不安になるので、翌日に仕事がある時はお酒をいただかないようにしていますが、休みの前日にいただくお酒は、やっぱり最高です。皆さんも美味しいお酒を飲みながら、私の新曲を聴いて、歌って、楽しんでほしいですね。

長山洋子『美味しいお酒 飲めりゃいい』

長山洋子「美味しいお酒 飲めりゃいい」VICL37691

発売中

品番:VICL-37691
価格:¥1,400(税込)

【収録曲】

1.美味しいお酒 飲めりゃいい(作詞:麻こよみ/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)
2.だから怖いの(作詞:渡辺なつみ/作・編曲:Fuming)
3.美味しいお酒 飲めりゃいい(オリジナル・カラオケ)
4.だから怖いの(オリジナル・カラオケ)

長山洋子 レギュラー番組

テレビ東京系「洋子の演歌一直線」毎週日曜日5:30~6:00

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