岩佐美咲がソロデビュー12年の軌跡を綴ったアルバム『美咲めぐり~第3章~』をリリース AKB卒業から7年、「私の成長を感じていただけたら」

岩佐美咲
2023.10.4

2012年のソロデビューシングル『無人駅』から一昨年にリリースした10thシングル『アキラ』まで、10作連続でオリコン週間演歌・歌謡シングルランキング初登場1位を獲得し、演歌歌手として着実にキャリアを積み重ねてきた岩佐美咲。シングル限定盤のカップリング曲で、数々のポップスの名曲もカバーし、好評を博してきた彼女が、これまでの軌跡を綴った大全集アルバム第3弾『美咲めぐり~第3章~』をリリースする。ソロデビューから12年、AKB卒業から7年、20代後半の大人の歌い手として飛躍を遂げようとしている岩佐に、過去から現在までの足跡、そして未来を語ってもらった。


岩佐美咲

今聴くと恥ずかしさもある10代の頃の声も自分の歌

――『美咲めぐり~第3章~』は、ソロデビュー曲『無人駅』から3rdシングル『鞆の浦慕情』、9thシングル『右手と左手のブルース』、10thシングル『アキラ』に加え、これまでシングル限定盤のみでしか聴けなかったカップリング11曲と新録の初出し音源2曲も収録と、岩佐美咲の魅力をぎっしり詰め込んだ1枚になりましたね。

『アキラ』をリリースしてから2年、ファンの方々に「次の新作はいつ?」というお声をたくさんいただいていたので、やっとお応えすることができました。しかもそれが、これ1枚を聴いていただければ岩佐美咲を全部知ってもらえるような、名刺代わりの1枚ともいえるアルバムに仕上がったので、すごくうれしく思っています。

――ソロデビュー当時の歌声から現在の歌声まで聴き比べることができるのも、ファンにとっては楽しみだと思います。ご自身でアルバムを通して聴いてみて、どのように感じられましたか?

ソロデビューしたての頃と今ではやっぱり全然違うな~と(笑)。当時はJKだったよなって思ったり、レコーディングしたときのことを思い出したり、とても感慨深かったです。正直、(ソロデビュー当時の歌声については)恥ずかしさもあるのですが、あのときにしか表現できない自分の歌になっているとも思うので、この1枚を通して、12年間の私の成長を感じていただけたら幸せですね。

――全17曲のどれも思い入れがあると思いますが、なかでも特に印象に残っている歌とその歌にまつわるエピソードを教えてください。

強く印象に残っているのは、3rdシングルの『鞆の浦慕情』をリリースしたときのことです。広島県の鞆の浦を舞台にした歌ですが、地元の方にものすごく盛り上げていただき、この先一生忘れないほどの素晴らしい、充実した1年を過ごせました。「鞆・一口町方衆」応援プロジェクト特別PR大使にも任命していただき、月に1回は現地を訪れ、マツダスタジアムで国歌斉唱と始球式を振り袖姿でやらせてもらったり、1日警察署長を務めたりと、いろいろな夢を叶えていただいて、本当に楽しかったです。ラッピングバスも走ったんですよ。

AKB卒業後のソロになってからの成長と変化

――『鞆の浦慕情』を発表されたのは2014年、当時はまだAKB48に在籍中でしたね。その2年後に卒業して、演歌歌手として独り立ちされましたが、卒業前と後では、歌手として、気持ちや状況に変化はありましたか?

まったく変わりました! 13歳でAKBに入って、それはそれでなかなかできない貴重な経験でしたけど、やっぱり特殊な世界に身を置いていたんだということを、卒業してからお仕事の面でもプライベートの面でもすごく感じました。

――たとえばどんなことですか?

まず、AKBは人数が多かったので、ステージ上でちょっと間違えてもお客様にはなかなかバレなかったんですけど(笑)、一人になってからはそういうわけにはいかないので、責任感を持つようになりました。それにAKB在籍中はコンサートのセットリストを考えるようなことなどなかったのですが、ソロになってからは、1時間半のステージをどのように構成するか、MCで話す内容などシンプルなことも含めて、私からも意見を出して作っていくようになりました。自然にできることが増えたし、視野も広がったと思います。

――歌手としても人としても成長できたんですね。

AKB時代は総選挙もありましたし、狭い世界の中で周りと自分を比べていましたけど、卒業後は一人の人間としてどういうところを磨いたらいいかを考えるようになりました。もともと私は自分に自信がなかったんですけど、独り立ちしてからも変わらず応援してくださるファンの方がいて、さらに卒業後に私を知って応援してくださる方もいる――今の私はみなさんの存在が自分の自信につながって、がんばろうって思えています。

岩佐美咲

12年間の心の支えとなった秋元先生の言葉

――演歌の世界に一人で飛び込むことについては、不安はなかったのですか?

秋元康先生にデビュー曲からずっと詞を書いていただいていて、秋元先生と一緒にCDを出すという感じだったので、それが心強さになっていました。また、ソロデビュー曲の『無人駅』のときに、秋元先生からかけていただいた言葉もずっと支えになっていました。『無人駅』は大人の歌詞ですし、当時まだ16歳だったので、不安であることを先生にお話ししたら、「演歌歌手は息が長いから、岩佐が30年後も歌えるように大人の歌にしているんだよ」とおっしゃいました。その言葉を聞いて、「30年後も歌えるような人でいなくちゃ!」って思ったんです。

――そして、ソロデビューから12年が経ちました。今の心境はいかがですか?

歌えば歌うほど、いろいろな歌を知れば知るほど、難しいと思うことばかりです。周りも素晴らしい歌手の方ばかりですし、同年代でも小さい頃から民謡をやられてきたような方もいらっしゃいます。演歌歌謡曲に触れてきた時間が、私は確実に少ないですし、デビュー当時のアイドルというイメージもまだ残っているなと感じているので、アラサーとなり、徐々にシフトチェンジしていかなければと思っています。

アイドル出身も武器にしたスタイルにアップデート

――アイドルのイメージを打破したいのですか?

アイドルグループ出身というイメージを払拭したいのではなく、アップデートしていきたいです。演歌歌手としてソロデビューした当初は、事あるごとに「アイドルだったから」と思われているのかなとか、アイドルだったことをどこかマイナスに捉えることもありましたけど、アイドルをやっていたからこそ出すことができる表現もあると思うので、逆に今はアイドルだったことをうまく武器に変えていけたら、私だけのものになるかなって考えています。

――アイドルだったことも一つの武器に、演歌歌手“岩佐美咲”を作り上げていくんですね。

そのうえで、年齢やデビューしてからの年数に沿った成長の仕方、変化の仕方をしていきたいです。たとえば、今回の『美咲めぐり~第3章~』のジャケット写真もその一つです。これまでは毎回、着物で撮影していましたが、大人の雰囲気を出したいということで、今回は2タイプ(【初回限定盤】【通常盤】)ともドレスで撮りました。また、せっかくポップスの世界から来ているので、演歌歌手だけれど、ポップスもどんどん発信していきたいということで、今回のアルバムに収録したカバー曲はポップスが多めになっています。そんな風にちょっとずつ自分のスタイルを見つけていって、岩佐美咲ってこうだよねとファンのみなさんに感じていただけるようにしていきたいです。

――今回のアルバムに収録されたシングルのカップリング曲の中で、特に思い出に残っている曲はありますか?

好きな歌ばかり入っているんですけれど、2ndシングルのカップリング曲となった城之内早苗さんの『あじさい橋』のカバーは、当時、収録できたことがとてもうれしかった曲ですね。城之内さんは、私と同じく秋元先生のプロデュースでアイドルグループ(おニャン子クラブ)からデビューされ、その後、演歌歌手として第一線で活躍され続けていて、私にとってはこうなりたいという目標の方です。『あじさい橋』は、その城之内さんとソロデビュー前にコンサートで一緒に歌わせていただいたこともある思い出の歌でしたから、今回、アルバムに改めて入れられたことは大きな喜びです。

岩佐美咲

演歌歌手として自分の伸びしろを信じて

――今月からはライブツアーも始まりますね。

AKBの同期で、今、ピアニストとして活躍している松井咲子ちゃんと9月から12月まで全国5カ所で昼夜ライブを行います。13歳の頃から約15年も一緒に頑張ってきた仲間とこういう形で共演できることが本当に感慨深いです。全10公演となりますが、全公演を見にきてくれた人も楽しめるよう、公演ごとにセットリストを変えようって2人で決めて、結果「本当にこれできるの?」と、今、大変なことになっちゃっているんですけど(笑)。2人でがんばりたいと思います。私もギターで弾き語りをさせてもらいますが、全体的にアコースティックな雰囲気になる予定です。

――30歳を前に、着実にご自身の歌世界を築かれていますね。

私のシングルは歌謡曲っぽいメロディですし、ポップスも歌っていることも含めて、普段、演歌を聴かない若い人たちと演歌の掛け橋的な存在になれたらうれしいですね。それによって演歌というジャンルが盛り上がるといいなって思っています。

――岩佐さんのこれからの成長や変化がますます楽しみになってきました。デビューの際、秋元先生に言われたとおり、演歌歌手は息が長いですから、30年どころか、80歳くらいまで現役を目指してがんばってください!

まず健康でいなくちゃ、ですね。でも、やりたいですね! 80歳になっても活動している元AKBがいるとすれば、私くらいな気がしますし(笑)。今はまだまだ演歌歌手としては小娘で、吸収しなければいけないことがいっぱいありますが、でもその分、たくさんの伸びしろがあると信じて、いろいろ見て、経験して、いろいろな歌に挑戦して、精一杯がんばりますので、ぜひ応援していただければと思います!

岩佐美咲

岩佐美咲『美咲めぐり~第3章~』

2023年10月4日(水)発売

岩佐美咲『美咲めぐり~第3章~』初回限定盤 TKCA-75174

初回限定盤CD+DVD

品番:TKCA-75174
価格:¥3,850(税込)

岩佐美咲『美咲めぐり~第3章~』通常盤 TKCA-75175

通常盤 CD

品番:TKCA-75175
価格:¥3,300(税込)

【CD収録曲】

1.無人駅(1stシングル)2012年
2.鞆の浦慕情(3rdシングル-オリコン週間ランキング1位獲得曲)2014年
3.右手と左手のブルース(9thシングル)2020年
4.アキラ(10thシングル)2021年
5.ヘビーローテーション〈演歌バージョン〉(1stシングル限定盤c/w曲)2012年
6.翼をください(1stシングル限定盤c/w曲)2012年
7.あじさい橋(2ndシングル限定盤c/w曲)2013年
8.異邦人(3rdシングル限定盤c/w曲)2014年
9.20歳のめぐり逢い(4thシングル限定盤c/w曲)2015年
10.一歩目音頭〈岩佐美咲バージョン〉(5thシングル限定盤c/w曲)2016年
11.ふたり酒(6thシングル限定盤c/w曲)2017年
12.下町の太陽(7thシングル限定盤c/w曲)2018年
13.あなた(8thシングル限定盤c/w曲)2019年
14.元気を出して(9thシングル限定盤c/w曲)2020年
15.ありがとう(10thシングル限定盤c/w曲)2021年
16.真夜中のドア~Stay With Me(新録音曲・初出し)2023年
17.愛燦燦(新録音曲・初出し)2023年
※通常盤CDは限定盤と同一内容

【DVD収録内容】

・『右手と左手のブルース』MUSIC VIDEO
・『アキラ』MUSIC VIDEO
・ジャケット撮影メイキング

『美咲めぐり~第3章~』発売記念キャンペーン

2023年10月6日(金)
関東近郊某所

2023年10月7日(土)
関東近郊某所

※詳細はオフィシャルHPをご確認ください。

岩佐美咲&松井咲子 ライブハウスツアー2023

2023年10月8日(日)新潟
ジョイア・ミーア

2023年12月10日(日)大阪
梅田 Soap Opera Classics

2023年12月24日(日)東京
目黒ブルースアレイ

梅沢富美男劇団『梅沢富美男 水森かおり特別公演』出演

≪御園座≫
2023年11月4日(土)~ 11月12日(日)

≪新歌舞伎座≫
2023年 11月17日(金)~ 11月30日(木)

「3人の歌仲間」

日時:2023年12月6日(水)14:00開演
会場:北とぴあつつじホール
出演:岩佐美咲、はやぶさ、辰巳ゆうと

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