彩青がデビュー5周年シングル『さらば桜島』をリリース! 「夢への‟ファーストステップ“を踏み出そうとしている人の背中を押す曲です」
2019年に16歳でデビューした彩青がデビュー満5年を記念したシングル『さらば桜島』を6月26日にリリース。作詞:石原信一、作曲:弦哲也といったビッグネームが結集し、新たな一歩を踏み出す演歌界の若き実力派を力強く後押しする。カップリングには、Ryusei名義で初のJ-POPに挑戦。民謡をルーツに津軽三味線や尺八を使ったパフォーマンスで魅了してきた‟三刀流歌手”のチャレンジが詰まった1枚となった。インタビューでは、5年間の歩みを振り返りながら、11歳から師事してきた師匠・細川たかしへの思いや同世代歌手との交流、プライベートライフまでを明かしてくれた。
長い人生、頑張れば‟時節”はやってくる
──デビュー5周年という節目に、この新曲『さらば桜島』を歌うことへの思いを聞かせてください。
作詞の弦哲也先生は、まさに私の5周年に向けてこの歌詞を書いてくださったそうです。歌っていてグッと胸に迫ってきたのが、「心よ落ち着け 時節は来るさ」というフレーズでした。5年経ったけれど、まだまだ人生先は長い。焦らずじっくり鍛錬しながら頑張っていきなさいよ。そうすれば必ず「今だ、行け!」という“時節”がやってくるというメッセージを先生から頂戴した思いになりました。
──師匠の細川たかしさんから歌のアドバイスはありましたか?
メロディ自体が雄大でドラマティックなので、とにかく「言葉一つひとつを明瞭に伝えることを意識しなさい」と指導いただきました。そのために「あまり節は回しすぎないほうがいい」とも言われましたね。「感情を入れすぎてもいけない。だからといって平坦になってもダメだ。そこのところをしっかりと気をつけて歌うんだよ」とレコーディングに送り出してくださいました。
──そのご指導を踏まえて、実際歌ってみていかがでしたか?
これがなかなか難しくて。私は民謡出身なので、むしろ節を回すほうが簡単なんです。レコーディングでもついコロッと回ってしまった瞬間が何度かありました。そんなわけで苦労しながらのレコーディングではありましたが、師匠からも「彩青、いいじゃないか」というお言葉をいただきまして、まずはホッとしているところでございます。ここまで褒めていただいたのは初めてに近いくらいで、5年目にして大きな自信をいただきました。
初めてJ-POPに挑み不思議な感覚に
── 一方、Ryusei名義で歌うカップリングの『First Step』(作詞・作曲:ZEN、AKUN、Sunny、編曲:ZEN、AKUN)はオリジナル曲では初のJ-POP。「節を回すほうが簡単」ということは、難易度はこちらのほうが高かったのでしょうか?
もう非常に難しかったです。民謡は基本的に地声を張って歌うのですが、この曲は裏声を抜いて歌うファルセットが盛り込まれています。こうしたJ-POPの歌唱法は初めてでしたし、この曲のために一からボイストレーニングの先生に習いました。歌詞も演歌には出てこないようなフレーズばかりでしたから、これまた苦労しましたね。幼少時から演歌、民謡、浪曲、詩吟ばかり聴いたり歌ったりしてきましたので、自分の歌声で「goodbye」「day by day」など英語交じりの詞を歌うのは非常に不思議な感覚でした。
──天に突き抜けるようなハイトーンボイスはさすが民謡で鍛えた喉だと思いましたが、ご自身では磨いてきた“武器”を使えないもどかしさもあったのでしょうか?
むしろデビューから5年、ここでまた新たな武器をつかみたいという気持ちでした。それこそ演歌第7世代の仲間たちも演歌に限らずさまざまなジャンルの曲に挑戦していますし、私ももっと幅を広げなければと。いうなれば彩青が本館なら、Ryuseiは別館という感じでしょうか。別館を建てた以上はこちらもさらに磨いていきたいという意気込みでいます。ちなみ『First Step』にもワンフレーズだけ節が回っているところがあります。レコーディングの時についコロッと回ってしまったのを作曲の先生が「面白いですね」と採用してくださったんです。Ryuseiのなかに一瞬、彩青が見える瞬間を聴き取ってくださったらうれしいですね。
すべてにおいて師匠は人生の目標
──ジャケットでお召しになっている袴は細川たかし師匠からいただいたものだそうですね。
そうなんです。師匠からは前作『王手』の袴も、前々作『望郷竜飛岬』の着物と袴もいただくなど、すべてにつけてお世話になっています。またデビュー曲『銀次郎 旅がらす』の衣装も紺の紋付袴でしたので、初心を忘れるなよという思いも込められているのかなと感じています。
──一方、師匠の新曲『男船』はSNSで大バズりしたドクロジャージ姿がジャケットにあしらわれています。11歳から師事されてきた彩青さんは、昨今の師匠の異色ともいえる活躍をどのようにご覧になっていますか?
まずあれだけインパクトのある服って、どうしても着られている感が出てしまうじゃないですか。それが一切ないのが師匠のすごいところですよね。なにより師匠は人を喜ばせることを一番に考える方です。歌で喜んでいただくのはもちろんですが、今の時代は演歌だけじゃなくていろいろな音楽があります。私も演歌第7世代の一員として1人でも多くの方に演歌に興味を持ってもらいたいという思いで活動していますが、師匠の影響力には到底かないません。あのジャージ姿でポンと世に出ていっただけで、あれだけの話題を呼ぶわけですから。
──あのジャージには演歌への入り口を広げたいという思いもあるのでしょうか?
そこまではわからないのですが、実際、門戸はかなり広がっていると思います。私も先日、「細川たかし 長山洋子~ふたりのビッグショー」に出演させていただきましたが、若いお客様が本当にたくさんいらっしゃいました。それこそ「♡たかし♡」という団扇を持っていた方も大勢いました。
──師匠のTikTokも楽しいですね。流行りのエフェクトを駆使されているのが印象的です。
私もようやっとTikTokを始めたのですが、21歳ながら、なかなか若者の流行に疎くてですね……(苦笑)。だからこそ師匠のすごさをひしひしと感じるんです。とにかく師匠は「みんなが喜んでくれるならなんでもやろう」という姿勢が一貫していて、しかも迷いなく実行に移されます。歌はもちろん、懐の深さ、生き方、存在感……すべてにおいて師匠は私の人生の目標です。
ライバル心よりみんなで一丸となることが大切
──現在、演歌第7世代をはじめ、若手演歌歌手の活躍が目覚ましいですが、今年4月にデビューした小山雄大さんは幼い頃からの仲だとか。
そうなんです。同い年で小学1年生の頃から同じ三味線の会にいました。彼は札幌出身、私は岩見沢出身なので、彼のほうがシティボーイですけれど(笑)。また彼のほうが先に上京しているので、こうやってお互いに歌手として再会できたのは本当に感慨深いです。昔からよく知っているせいか、番組でつい本名で呼んでしまいそうになり、「危ない、危ない」という瞬間が何度かありました(笑)。
──お2人はどのようなお子さんだったんですか?
今と変わらないですよ。彼は氷川きよしさんの話、僕は民謡の話をずっとしていて、とにかく気が合う仲でしたね。
──ライバルでもあったのでしょうか?
私は誰かをライバルと思ったことはほとんどないんです。歌手の世界ではどうしても数字で「勝った、負けた」と表面上は捉えられがちですが、結局は相手というより自分をいかに磨くかが歌に反映されるものだと思っています。それに1人でどうにかしようというよりも、やっぱりみんなで一丸となって頑張ることのほうが大切だと思うんです。それは演歌第7世代の活動を通しても感じてきたことです。
──今年3月には新浜レオンさんが演歌第7世代から卒業されましたが、2021年からの活動を振り返っていかがですか?
デビュー年に多少の前後はあるのですが、新浜レオンさんも含めて、メンバー5人は今から頑張るぞというタイミングでコロナになり、キャンペーンもできなければ、仕事もなくなるという憂き目を見ています。ただそれも悪いことばかりではなく、演歌第7世代という仲間として一丸となれました。メンバーで最年少の私にとってはお兄さんがたくさんできたことがうれしかったですね。二見颯一さんにはなぜか“師匠”と呼ばれたりするのですが(笑)。津軽三味線の歴がちょっと私のほうが長いだけなんですけどね。
コロナ禍を乗り越えたから今がある
──コンサートでも演歌第7世代の和気あいあいとした雰囲気は伝わってきます。共にコロナを乗り越えてきた仲とおっしゃいましたが、彩青さんにとってデビュー翌年からのコロナ禍はどんな時期でしたか?
それはもう不安でした。東京での一人暮らしも始まったばかりだったし、歌を稽古したくてもカラオケすら行けない。さあ、どうしようと途方に暮れていたところに、師匠が「うちへ来なさい」と誘ってくださったんです。「うちなら三味線も尺八も、そしてなにより歌も存分に練習できる」と。そんなありがたいお言葉もあり、内弟子のような形で師匠の家に置いていただいたんです。
──今も若い彩青さんですが、当時は17歳。大樹のような師匠の存在はさぞや心強かったでしょうね。
あの頃、師匠には何度も「焦るんじゃないよ」と言われましたね。確かに今は仕事もなかなかできない大変な時だけど、これを逆手に取って成長の時間に使おうじゃないかと。実際、師匠には11歳から師事してきましたが、コロナの時期はそれまで以上にじっくりと指導をしていただきましたし、それが今の私の幹になっています。デビュー当時と今の声を聴き比べると、驚くほど違うんですよ。それこそ『さらば桜島』の「心よ落ち着け 時節は来るさ」じゃないですが、こうやって晴れて5周年が迎えられたのもコロナ禍での経験があったから。そしてなによりあの時期に寄り添ってくださった師匠には感謝してもしきれません。
──ところで彩青さんはデビュー以来、民謡でならした歌声とともに、尺八、津軽三味線を使ったパフォーマンスで“三刀流歌手”として活動されてきましたが、『さらば桜島』では“丸腰”で勝負されています。これも5年目の挑戦なのでしょうか。
歌手として成長するためにはマイク1本に歌のすべてをかけるということも必要だと思っています。前奏や間奏では何か忘れ物をしたような気持ちになることもありますが、あえて大きな身振り手振りはせず、桜島の壮大な景観を感じていただけるような表現を模索しています。そこに新しい彩青を感じていただけたらうれしいです。
出汁づくりは母の味を超えた!?
──プライベートでは相変わらず、尺八作り、三味線作りにいそしんでいらっしゃるのでしょうか?
実はこの2年ほど、新作の尺八が作れていないんです。例年10月後半頃に山に入って竹取りをするのが恒例だったのですが、なかなか時間を捻出できなくて。そこで今は昔作った尺八に漆を塗ってみようかなどと計画しているところです。三味線については、バチ作りはもちろん、最近は皮張りにも挑戦しています。職人さんのように上手にはできませんが、とにかく音が出るものを黙々と作っている時間が好きですね。疲れも吹き飛びます。
──お料理もお得意だとか。
得意というほどではないですが、好きですね。最近はもっぱらお蕎麦ばかりですが、自分なりに研究して好みの麺つゆを作るのにハマっています。私の場合は出汁を引いたあとに白だしを合わせるのが好きですね。甘みは基本的にお酒やみりんで出しますが、さらに甘みを加えたい場合はタマネギを入れたりします。量は適当ですが、これがなかなかおいしくできまして、母にも「あの出汁はどうやって作るの?」と聞かれました。
──味覚もなかなかシブいですね。しかも母の味を超えたとは!
ざっくりと作るだけなんですけれどね。夏はタマネギを煮すぎず、辛味とシャキシャキ感を残すとさっぱりいけると思います。そこにミョウガを刻んで入れてもいいですね。
──師匠に振る舞ったりはしないんですか?
私の味付けはわりと淡白なんです。師匠は濃い味好みなので、気に入っていただけるかどうかわからないですが(苦笑)、機会があればというところでしょうか。
──デビュー5年目を超えた現在、これからの目標について教えていただけますか。
つい先日、88歳の女性の方が「実は入院する予定だったんだけど、どうしても彩青くんの歌が聴きたくて」と私のステージに来てくださったことがありました。「いやいや、無理はなさらないでください」と言ったんですが、「大丈夫、歌を聴いてすっかり元気になっちゃった」とおっしゃって。少々心配にはなりつつも“病は気から”という言葉もありますし、もし私の歌が“気”になっていたら、こんなにうれしいことはないなとも思いました。実現したい夢はたくさんありますが、なによりも歌を聴いてくださる皆さんが元気になれる、明日も頑張れる、そんな歌手になりたいという小さい頃からの夢を叶えるべく、これからも精進して参りたいと思います。
──『さらば桜島』を聴くファンの皆さんへのメッセージもお願いします。
この歌は大志を抱いて故郷を旅立つ、そんな若者の決意を歌っています。私自身の北海道を離れた時の気持ちとも重なりますし、鹿児島はもちろん、日本全国の夢への‟ファーストステップ“を踏み出そうとしている方々の背中を押す曲になってほしいと頑張って歌っております。どうぞ応援をよろしくお願いいたします。
彩青『さらば桜島』
2024年6月24日(水)発売
品番:COCA-18212
価格:税込¥1,500(税抜価格¥1,364)
【収録曲】
1. さらば桜島 (作詩:石原信一/作曲:弦哲也/編曲:南郷達也)
2. First Step BSテレ東「THE 名門校」テーマソング≪“Ryusei”名義≫ (作詩・作曲:ZEN,AKUN,Sunny/編曲:ZEN,AKUN)
3. さらば桜島 オリジナル・カラオケ
4. First Step オリジナル・カラオケ
5. さらば桜島 半音下げオリジナル・カラオケ
6. さらば桜島 2コーラスカラオケ
7. さらば桜島 半音下げ2コーラスカラオケ
8. さらば桜島 1コーラスカラオケ
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