天童よしみが最新曲『昭和かたぎ』のカラオケ大会を開催、100名超の応募の中から福岡の宮本雅博さんが優勝 決勝大会の模様を独自レポート!
演歌歌手の天童よしみが2024年2月に発売した最新シングル『昭和かたぎ』を課題曲とした「JOYSOUNDプレゼンツ 天童よしみ『昭和かたぎ』カラオケ大会」を開催、8月4日(日)に東京・品川のJ-SQUARE SHINAGAWAで決勝大会が行われた。
天童よしみの最新曲『昭和かたぎ』は水森英夫作曲・水木れいじ作詞の演歌作品で、2024年上半期発売・新譜のカラオケランキングの演歌・歌謡曲部門で1位を獲得した、令和6年発のカラオケヒット作。発売と同時に公開されたミュージックビデオの再生数も、自身最速の100万回再生に迫る勢いと好調だ。
本カラオケ大会はあらかじめJOYSOUNDの動画サービス「うたスキ動画」で6月1日から30日にかけて参加募集され、優勝者・準優勝者には天童のコンサートへの歌唱出演権が贈られる。この日は全国の100名を超える応募者の中から、予選選考を経て本戦進出を決めた16名が参加、出場者を応援する応援団も多数駆けつけた。
審査を務めるのは天童よしみのほか『昭和かたぎ』 作曲の水森英夫、作詞の水木れいじ、テイチクエンタテインメント社長の栗田秀樹、担当プロデューサーの磯田繁男。司会を務める垣花正の冒頭挨拶に続いて5人が審査員席に登場すると、審査員特別賞1名、準優勝2名、そして優勝をめぐる本選が幕を開けた。
手に汗握る本戦の模様をレポート!
天童による開会宣言に続いて、千葉から参加の西野美智子さんから本戦がスタート。2コーラスの歌唱後、西野さんは「(くじ引きで)一番を引いた時はどうしようと思った」と心境を語るも、「暗い歌にならないように、明るくのびのびと行こう」と心がけたそう。天童は講評で「しっかり、はっきりとされていて、心で歌う『昭和かたぎ』」と語った。
2番手の川田恵美子さんは群馬から参加。2コーラス歌唱で競うこの大会について「2番の歌詞がとても好きで、自分の気持ちが入る」と語り、作曲の水森は講評で「曲線を描いて、なだらかに歌えている。ストレートに歌が入ってくる」と評価した。
3番手、大阪から参加の中林眞由美さんは、この日のために準備したという衣装でステージに登場、「バッチリ歌えたと思うんやけど……」と控えめに語るも、作詞の水木は講評で「天童さんが本当にお好きなのだというのが伝わってきた。でも歌は中林さんの『昭和かたぎ』になっていて、本当に素晴らしかった」と賞賛した。
4番手は本戦で初の男性、神奈川から参加の佐藤寅喜(かつよし)さん。「今まで昭和に生きてきて、昭和の代表という気持ちで歌わせていただきました」と語り、テイチク社長の栗田は「しっかり楽曲をご自分のものにされている、声が楽曲とマッチしている」と講評を送った。
5番手には、東京から参加の春山江利子さんがステージに。歌唱後は「緊張で少し失敗した」と語るも「(天童の)こんな近くで歌えるなんて幸せ」と喜びをあらわに。担当プロデューサーの磯田は講評で「すごく個性があって、非常にいい声を持っていらっしゃる」とたたえた。
6番手にはこの日最年少の15歳、奈良から参加の小林夕夏(ゆうか)さんがステージに。歌唱後は「私のおじいちゃんがこの歌に出てくるような昭和の男で、おばあちゃんも昭和かたぎ。おじいちゃんとおばあちゃんに向けてしっかり歌おうと思った」と語り、天童は「私がデビューしたのと同じ15歳。昭和の人は苦労を買って乗り越えてきた力強さがあるが、15歳なのにしっかり、はっきりとその声から伝わる」と評価した。
7番手には、香川から参加の村山小百合さんが登場。「コロナ以来6年ぶりに東京に来た。募集を見てギリギリだったが一生懸命練習して応募した」と語り、水森は「キレもあるし、声質も魅力。こぶしも揺らしも余分なものがないので聞きやすく、完成度が高い。いろんな先生が教える歌い方をちゃんとしている。完璧」と高く評価した。
8番手には東京から中村幸綱さんが登場し、この日の参加者の中で唯一、カップリングの『花の春』を歌唱。「春のようなやさしいイメージのこの歌を選んだ。(カップリングを歌うのが)今日の中で僕ひとりと聞いて緊張した」と語り、その歌声に水木は「プロの方かと思った。水森先生のお弟子さんかと。言葉の響かせ方、歌い出し、語尾のアタックが、心地いい位キレがいい」と絶賛した。
9番手には20歳の山本修弘(のぶひろ)さんが登場。歌唱後には「祖父が演歌が好きで『昭和かたぎ』を歌っていたので練習した。大会に出るよと伝えたら背中を押してくれるかと思いきや、『わしの方が上手いぞ』と(笑)」と語り会場の笑いを誘った。栗田は「特徴的ないい声で、山本さんならではの歌い方で歌われている。若い方が演歌・歌謡曲に触れ、歌いこなしていただいているのが、レコードメーカーとして本当に嬉しい」と好評した。
10番手には、福岡県から宮本雅博さんがステージに。宮本さんは小学校5年の頃、デビュー前の天童とちびっ子のど自慢で共演したとエピソードを語り、その時以来の奇跡の再会に天童が喜びをあらわにする一幕も。歌唱については「緊張した」と語るも、磯田は「『どうりで!』の完成度。歌い続けている方のステージングで、緊張を感じさせない堂々の歌いっぷり」と高く評価した。
11番手には山口から参加の新庄りえ子さんが登場。歌唱後には「リハーサルで緊張したが、(本番では)びっくりするくらい緊張しなかった。作家の先生方、天童よしみさんの前で歌えるのが幸せ」と語り、天童は講評で「安心して聞かせていただいた。やさしくあたたかく、包み込むように歌っている」と印象を伝えた。
12番手は大阪から参加の21歳、松下みんてつさん。印象的なハイトーンボイスを披露した後は「先生方が本当に大好きで、本当に幸せ」と喜びを語った。水森は「驚いたのはハイトーンの『昭和かたぎ』。よく聞くと隅々まで行き届いていて、考えた歌唱をしている。今後こういう演歌の歌い手さんが出てくるといいなと思う。個性を出してそれがサマになっていればいい。そういう人を見つけているし、あなたもそのひとりだ」と大絶賛した。
13番手には、福岡から参加の越智麻美さんがステージに。緊張のあまり「(天童を)妖精だと思って見ないようにした」と語って会場の笑いを誘い、また「受かりたくて、受かりたくて……受かった時は涙が出た」と出演の喜びを語ると、水木は「緊張を感じなかった。自分のこぶし、回しをしっかり持っていて素晴らしかった」と高く評価した。
14番手、神奈川から参加の望月絹子さんは歌唱後「天童よしみさんの前で歌わせてもらう機会はないので、震えています」と話した。応募した矢先に声帯を痛め、回復のさなかでの今回の参加となったそうだが、栗田は「歌っている時はそれを感じさせないほど、ご自分の声をうまく使いながら、やさしく表現するところと力強く歌い切る、そのメリハリがよかった。歌詞の内容を考えながら声を使い分けられているのが印象的」と絶賛した。
15番手は男性最年長の80歳、埼玉から参加の平野行晏(ゆきやす)さん。「もう何十年も歌ってなかった。この曲を聞いていい歌だなと思い、この大会を知って、5月頃、15年位ぶりにカラオケを始めた」と語り会場を喜ばせた。磯田は講評で「開催側としては冥利に尽きる。やさしさのあるいい声。歌は声で決まる部分もあるので、いい武器を持っていらっしゃる」とたたえた。
この日のトリとなる16番手には、群馬からこの日最年長81歳の宇沢三千代さんが登場。歌唱後は「必死で、倒れないように……なんとか歌えました」と語るも歌声は力強く、天童は「なんとも言えない暖かさ。希望に満ちあふれる気持ちが出ていて、とても素敵だなと思いました」と思いを述べた。
本戦を終えると、出場者に会場からは改めて大きな拍手と喝采が。審査員からはハイレベルな場だからこその、さらなるステップアップへの具体的なアドバイスも多く送られ、素晴らしい歌声とともに、大きな実りのある場ともなった。最終審査のために審査員が退席すると、「この日もうひとつのお楽しみ」としてステージに天童が登場、ミニコンサートのコーナーがスタートした。まず代表曲とも言える『珍島物語』を披露すると、天童は改めてこの日の参加者の労を労い、感謝を伝えた。続けて天童はこの日の課題曲『昭和かたぎ』を披露、本家本元の圧巻のパフォーマンスを見せた。
出場者の熱演に審査は難航 優勝を手にしたのは、福岡の宮本雅博さん!
16名の素晴らしいパフォーマンスに審査は難航、予定よりも長く選考に時間をかけたのちに、天童がステージに再登場。各賞の受賞者が発表、トロフィーが授与された。受賞者は次のとおり。
審査員特別賞:
松下みんてつさん
(大阪・No.12)
準優勝:
村山小百合さん
(香川・No.7)
準優勝:
中村幸綱さん
(東京・No.8)
優勝:
宮本雅博さん
(福岡・No.10)
優勝した宮本さんは受賞を受け、「天童さんとは小学校時代からの友達と思っており、尊敬しています。この大会が始まると知って、この2ヶ月位、特に合格の連絡をいただいてからの2週間は、精一杯練習してきました。(講評で受けたアドバイスを受けて)これからも頑張っていきたいと思います」と喜びをあらわにした。
受賞理由として、水森は「優勝した方は『本物感』があった。自分の『節』を持っていて、この人を優勝させる他ないなと。準優勝のお二人も見事、完成度が高い。細かいところまで行き届いていた。(カップリングの『花の春』を歌唱した)中村さんはこういう歌が合いますね。自分の個性を知っていて、それをぶつけてくると、それも大会の技です。村山さんも完成度が高いですね。こぶしもしっかり回っている。常にこぶしが回っていながらも、母音を使いながら大変高度。揺らしもそう。また、伸ばしも芯を食っていいところに当たるから伸びてくる。それを聞いていると、この人たちが準優勝だろうと。審査員特別賞は、このハイトーンの若い衆。『これはほっとけないな』と」と語った。
水木は「どの方を優勝にするか、審査員全員で本当に悩みました。選ばれた4人の方は、自然体で歌われた。歌というのは『聴かせたい』『伝えたい』という思いが皆さんあると思うのですが、それを感じさせることのない自然さによって、一番伝わると思う。優勝された方は、歌唱の部分と思いを伝える部分がひとつになっている。思いを伝えるという気持ちと、自然にメロディ、声の響きが一緒になっている、そこだけの差だったと思います。4人の方だけでなく参加された方皆さん個性的で、全国から選ばれた16名の方だなと、おひとりおひとりに感激しました」と語った。
また大会の印象について、栗田は「非常に接した点差の中に(16名の方が)いらしたという印象を受けています。きっと皆さんそれぞれ持ち歌を持たれていて、それで審査すれば違った結果だったかもしれないのですが、今回は課題曲ということでそれを一生懸命練習していただいて、それぞれの『昭和かたぎ』を歌っていただけたなと、いい大会だったなと思っています」と思いを伝えた。
そして磯田は「おめでとうございます。仕事柄、多くの方の歌を聞かせていただいてきましたが、間違いなく今日の16名のレベルが一番高かったかなと堂々と言えるので、入賞に至らなかった12名の方も、本戦に出たんだということを自信にして歌い続けていただけたらと思います。本当にありがとうございます」と感謝を述べた。
最後に天童が総評として「優勝を決めるのは本当に難しくて。皆さん『天童よしみは負けたことがない、どんな時にも勝って、優勝しているんでしょう?』と言われるのですが、そうではなくて、肝心なところで負けてきました。だけど(そういう時)帰って母が『負けてよかったわ。また頑張ろうという気持ちが湧いてくるやろ?』と。『今度こそ!』って思う余裕を審査員の先生方がくれたんだと、昔ながらの思い出が蘇ってきます。こうして皆さんがここに来ていただいたその思いだけですごい嬉しくて。毎日聞いてくれて、歌ってくれてこんな嬉しいことはないです。本当にありがとうございました!」と感極まった様子で語ると会場からは大きな拍手が起こり、大団円の中この日の大会は幕を閉じた。
イベント後の天童よしみにインタビュー!
天童はイベント後取材陣の質問に答えた。
この日の感想については「本当に嬉しかったです。私の『昭和かたぎ』を皆さんが一生懸命歌ってくださるという、その熱唱に圧倒されました。遠くから、若い方や同世代の方、何十年ぶりの再会など、『昭和かたぎ』が結んでくれたご縁だなと思います。今日はワクワクドキドキ、そして何度も歌ってきた自分の歌だからこそ、泣けるところがいっぱいあって。それぞれ皆さんが私の歌をしっかり聞いて歌ってくださっているんだと感動しました。開催できたこと、皆さんのご尽力に感謝したいと思います」と感無量の様子だった。
優勝した宮本さんについては「男性の方の『昭和かたぎ』ということで『渋いな、こういう歌い方をされるんだ』と励みになりました。『こういうふうにこぶしを回しているんだ』と感じさせて、気づかせてくれる、ものすごい歌唱だったと思います」と語り、コンサートツアーで共演することについては「ステージで歌われる拍手の響きが聞こえてくる気がします。皆さん喜んでくださると思います」と期待を膨らませた。
演歌カラオケ1位を受賞した同曲については「昭和が始まってから来年で100年、私も昭和生まれです。曲のモデルは私の両親で、父は他界してもういませんが、母は91歳で、今も日々『昭和かたぎ』を口ずさんで元気でいてくれているので、この『昭和かたぎ』に出会えて嬉しいと思いました。また、15歳、20歳の方が『おじいちゃんが昭和かたぎなんです』と今日おっしゃってくれて、受け継いでくれているんだなと思うと、胸がいっぱいになりました」と話し、手応え十分とのこと。年末には「絶対にこの『昭和かたぎ』で締めくくって、来年も続けていきたいと思います」と話し、年末に向けての意欲も見せた。
最後に、カラオケ大会の今後については「続けます! 第2弾、ぜひ皆さんお会いしましょう!」と参加者に呼びかけ、力強く「やりまっせ、任しといてや! 今年中にやりたいと思います」と笑顔を見せた。
今回大成功となった「JOYSOUNDプレゼンツ 天童よしみ『昭和かたぎ』カラオケ大会」。その今後と、同曲を引っさげ躍動する天童よしみに、引き続き注目したい。
天童よしみ『昭和かたぎ』
発売中
品番:TECA-24003
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.昭和かたぎ(作詞:水木れいじ/作曲:水森英夫/編曲:猪股義周)
2.花の春(作詞:水木れいじ/作曲:水森英夫/編曲:猪股義周)
3.昭和かたぎ(オリジナル・カラオケ)
4.昭和かたぎ(メロ入りカラオケ)
5.花の春(オリジナル・カラオケ)
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