新譜!にっぽんのうた~ノーカット編~市川由紀乃『朧』※本人コメント動画

2025.6.12

市川由紀乃さんの新譜『朧』について、ご本人にお話を伺いました。

チャンネル銀河での本放送では入りきらなかったインタビューの模様をうたびと限定でお届け!

市川さんに、女の覚悟を歌った新曲『朧』の制作秘話から、新曲に込められた思い、過酷な闘病生活、恩人・由紀さおりとのエピソード、復帰した今これから伝えていきたい思いなど、たっぷりと語ってもらいました。

ノーカットのインタビュー動画はこちら。
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――新曲『朧』のPRをお願いします。

新曲『朧』は、女性の覚悟が描かれている作品です。

――楽曲を聴いた第一印象を教えてください。

好き!って思いました。先生方の愛といろいろな思いを込めて作ってくださった楽曲でしたので、その思いがストレートに伝わってきて、この曲を歌えるという喜びに浸りました。大好きな作品です。

――作家陣の愛と思いが込められている作品なんですね。

昨年から私の人生の中でいろいろな出来事があって、自分の中でも壁にぶつかり、もう一度歌が歌えるのかという心境になった時もありました。でも、それを乗り越えることができたのは、ファンの皆さんやたくさんの方々の支えがあったからです。その支えていただいた方々の中に、3人の先生方の存在というのもとても大きかったので、その思いというのが伝わってきました。

――特に聴いてほしいポイントはありますか?

聴いてほしい注目ポイントは全てなんですけれども、これからも歌い手として生きていきたいという覚悟を込めた楽曲なので、「♪振り向きません この先は」というフレーズは、自分のこれからの人生と重なる歌詞というところもあって、自分の強い思いも、この『朧』を通して皆さんに届いたらうれしいです。

――レコーディングはいかがでしたか?

歌が始まって、2小節はドラムと自分の声だけしかないのは初めてですね。先生方とも「今までの演歌にないんじゃないかな」と話していました。ですので、その2小節の間はドラムの音と市川由紀乃の声を皆さんに楽しんでいただきたいですね。「そういう始まりの演歌はこれからの時代はあってもいいんじゃないか」という先生方の思いが込められ、情念の歌ではあるけども新たな情念の歌という印象を受けました。自分でも歌っていて、心がきゅっとなるところもありつつ、気持ちいい歌だと思いました。

2月にレコーディングがありました。それまでは幸耕平生生の事務所で何度もレッスンを重ねてからレコーディングに挑みました。当日は思ったよりも早くレコーディングが終わりましたが、作品が好きすぎて「もう1回歌わせてください」とお願いしました。「じゃあもう最後はカラオケボックスみたいに歌っておいで」と、先生方の前で好きなように歌わせていただいて、とても順調なレコーディングでした。

――レコーディング時の裏話を聞かせてください。

自分のことを一番に分かってくださっている3人の先生方との時間だったので、「良かったね」「うれしいね」「いい楽曲できたね」という時間を過ごせたので、とにかく幸せなレコーディングでした。

一からレッスンしていたときは全てが難しかったですね。でも作品の中で演歌を感じていただきたいので、こぶしを少し入れている部分とか、ビブラートもストレートに表現するところと、ちょっと激しめのビブラートを使って歌ったりと、先生のご指導のもと歌っている楽曲です。

――ミュージックビデオの見どころを教えてください。

今回ミュージシャンの皆さんにも出演していただいて、今までの市川由紀乃の楽曲にはない撮影の仕方をしています。細かいところもとにかく見ていただいて、皆様にもその違いを感じていただけたらと思います。楽曲とリンクして作っていただいているので、それを見ていただきたいです。

――ミュージックビデオ撮影時の裏話はありますか?

とにかく楽しかったですね。また現場に戻ってこられたという喜びが強かったです。何度も歌えるシーンがあったので、実際に声を出しながら歌いました。あとは、ミュージシャンの皆さんの楽器をお借りして、ドラムを叩かせてもらったり、撮影の合間に皆さんとお話できたり、一つひとつのいろんなことがとにかく楽しい撮影でした。

――カラオケのポイントを教えてください。

出だしですかね。「♪ぎゅっと絡めた指と指」からリズムに乗って、サビに行く前の「♪百もねだるから」をたっぷりと歌っていただいて、「♪一番星を見つけられたら」の伸ばすところが気持ちいいと思いますが、「♪きりきりきりと」を一番気持ちいいところに持っていって歌っていただけたらと思います。幸先生からのアドバイスでいただきました。

――歌詞「♪きりきりきりと 軋むほど」はインパクトのあるフレーズだと思いますが、ご自身の経験と重なる部分はありますか?

傷口がきりきり痛むということはあるかもしれないですが、この女性は「軋むほど抱いてくれたらそれでいい」「もう何もいらない、あなた以外に」と思うほど、愛する人への強い思いから「♪きりきりきりと」という表現につながるわけで、いくつになっても作品を通して勉強させていただいています。

サビの部分はとてもキャッチーな、皆さんの耳に残るフレーズだと思いますし、振りも幸先生につけていただきました。歌っていて、振りとその言葉、そして思いというのが、3つが重なる瞬間があるので、ここは一度聴いていただいたら皆さんもすぐ口ずさんでいただけるところだと思います。なかなか「♪きりきりきりと 軋むほど」という、そういう言葉は普段でもあまり使わない言葉のような気がします。でもこの歌詞は、この作品にはいっぱい出てくるので、たくさん日本語がある中でも、歌の中で表現ができていない言葉はいっぱいあるので、その中でもきりきりという思いを今回『朧』という歌で歌えたことは、私の中では大きな財産だと思っています。

――ジャケット写真のイメージはどのように思いついたのでしょうか?

詞を書いていただいた松井五郎先生に、この作品のイメージカラーをお聞きした時に、赤と黒というお答えをいただきました。その色をお聞きしてから、日頃からお世話になっている京朋という着物屋さんに、ヘアメイクさんとマネジャーさん3人で行って、着物を選んで作っていただきました。

――カップリング『オリガミ』『夕化粧』のPRをお願いします。

豪華盤の『オリガミ』は、詞先(曲よりも先に歌詞を制作すること)で作っていただいた楽曲です。私がいただく作品は幸先生の曲先が多いですが、今回、松井先生が書いてくださった何枚かの詞の中でこの『オリガミ』を選ばせていただいて、昭和という時代を感じさせてくれるような、フォークソングの温かさを、皆様に感じていただけるんじゃないかなと思っています。

『夕化粧』は、切ない女心を歌っている一曲です。その切なさの中にもある、女性の奥底に秘めている強い思いというのを、この楽曲からも感じていただけるんじゃないかなと思います。

――昨年7月に卵巣がんであることを公表されました。

年齢的にも40代から50代に入るということで、体調の変化について、自分の身近にいるお世話になっている方や歌い手の先輩方にお話しすると、「そういうこともあるよ」という反応を聞いては自分の中で「大丈夫」だと言い聞かせて過ごしてきました。

そんな中、日頃からお世話になって可愛がっていただいている由紀さおりさんにご相談した時に「私の信頼する先生を紹介するから、一度検査を受けてきて」と勧められ検査に行きました。そして、診断の結果を聞いて「全てのお仕事をストップして手術しましょう」という状況になりました。もう目の前が真っ暗でしたね。大切なお仕事をいただいて、お稽古にも入っていた時期でしたので、たくさんの皆様にまずはご迷惑をおかけしてしまうという気持ちと、歌手人生の歩みを止めなければいけないという、ファンの皆様に申し訳ない気持ちや不安な気持ちがとにかく押し寄せる毎日でした。

手術を終えた後に「再発防止も兼ねて頑張りましょう」ということで、12月まで6クールの抗がん剤治療をしました。それから活動再開に向けてレッスンすることになり、幸耕平先生にごあいさつに伺ってレッスンをしていただきました。

やはりずっと声を出していないと自分が思うように声が出なくて、それが悔しかったです。お腹に力を入れると激しい痛みを感じていたので、まずはオリジナル曲をきちんと届けられるようになることがスタートラインだという気持ちでした。それでも、幸先生が「大丈夫、きっと元に戻るから。あとは由紀乃の努力だな」と仰ってくださいました。自分ができる全ての努力は積み重ねてきたつもりです。

――昨年11月から始めたレッスンはいかがでしたか?

声が出なかったですね。通常にお仕事させていただいていた時は、お休みの日であっても、何かしら声を出すというか、歌を歌っていたので、それが、何カ月も声を出さずに体を横にしている時間が多かったので、体の生活リズムも変わりましたし、治療をしていく中で、いろんな試練というか、いい経験ができたと思っています。

――療養中はどのように過ごしていましたか?

時間のある時には、母と歩きました。最初は全然歩くことができなくて重い荷物も持てなかったですし、ペットボトルの蓋も開けられなかったです。お腹に力を入れることや、横にした体を起き上がるのも、何かにしがみつかないと起き上がれなかったり、それは今でもあったりするんですけれども、とにかく体力をつけなければということで、母と一緒に歩きました。

あとは時間のある時にはいろんな音楽を聞いたり、映画を見たり、いろんな感情を自分の中でまた歌える日が来たら、その時に生きるんじゃないかなという、そんな時間を過ごしていました。

――療養中はどのような気持ちで過ごしましたか?

人それぞれもあるかもしれませんが、私の場合は、入院して手術をする、治療をするということが初めての経験でした。全てが初めての状態で、全てをマイナスに捉えてしまう時間もありました。そういう気持ちに打ち勝つことも、ある意味自分の中でリハビリというか、一つひとついろんな山を乗り越えて、振り返ったら(いろんな山が)あったなと思う日が来るのかなと思っています。それを乗り越えられたのは、支えてくれた皆さんのおかげですし、人の優しさや温かさというものに触れた期間だったと思います。

抗がん剤の治療をすると体毛が全てなくなるので、その期間は自分を受け入れなければならず、これが今の自分なんだというのを鏡で見て感じていました。でも先生からは「また必ず新しい元気な髪の毛も生えてくるからね」と言っていただいていたので、前向きに捉えて、可愛らしい帽子をかぶったり、いろんなウィッグをつけて、そういうおしゃれを思いっきり楽しんでいます。

――復帰後の心境はいかがですか?

もちろん不安もありましたが、「絶対に打ち勝つんだ」という強い気持ちを持っていました。そんな思うように行くわけがないと思いながら、でも一つひとつ、今までできなかったことができるようになるとうれしくて。だったら、もうちょっと頑張ってこれも乗り越えられるかもと思い、それができた時にはもううれしくて、皆さんに伝えたくなりましたね。ブログやインスタなど、いろんな形で皆さんがメッセージを届けてくださっていたので、その言葉を常に感じながら、背中を押していただいて、頑張ってこられたと思います。

――検査を勧めてくれた由紀さおりさんは恩人ですね。

由紀さんには感謝の思いでいっぱいです。まず一番に由紀さんにお礼をお伝えしたいと思い、お時間を取っていただいてお会いできた時には、涙の中で由紀さんが「よかったね、おかえり」と強く抱きしめてくださったことを、今でも思い出すとすごく胸がいっぱいになります。ちょうど治療も落ち着いて、味覚障害も落ち着いてきた時だったので「よかったらお食事もしましょう」と仰ってくださって、一緒においしいしゃぶしゃぶを頂きました。

――復帰後、NHK「うたコン」に出演されましたね。

自分が戻りたい場所に戻ってこられた時は、なんとも言えない思いがこみ上げてきました。仕事の現場に行って、舞台に立って、演奏してくださるミュージシャンの皆さんの生演奏で、ましてや生放送という貴重な番組の中で、私の元気な姿を全国の皆さんに歌声を通して届けられたというのは、とてもありがたい時間でした。

その時にご一緒させていただいた歌い手の皆さんもそうですし、スタッフの皆さんにたくさんのお言葉をいただけて、「おかえり」「ただいま」という言葉がどれだけ温かく、自分の人生の中でとても重みのある言葉なのかを感じるようになりました。この期間にたくさんの「ただいま」と「おかえり」、「よかったね」をいただいていると思うので、その思いをこれから私は歌で恩返ししていけたらと思います。

――今後挑戦したいことは何ですか?

今までずっと歌を歌わせていただく歌い手というお仕事をさせてもらっていて、昨年からいろんな経験をできたおかげで、同じ病気と闘っていらっしゃる方からも私は背中を押していただいたので、これからは歌もそうですが、自分と同じく病気と闘っている方々に、自分の経験をお伝えすることによって背中を押して差し上げられる、そんな存在になれたらと思うので、何かそういう思いをお伝えできる仕事ができたらいいなと思っています。

――現在の心境はいかがですか?

普通がどれだけスペシャルかということを感じています。今まで当たり前のようにできていたことも、実は素晴らしいことであって、普通というのは人それぞれ違うと思うんですけれども、私の人生の中では奇跡とかスペシャルな出来事が多すぎて、それは決して当たり前ではないし、普通に穏やかに過ごせている、穏やかにいられることがどれだけありがたいことなのかというのを経験できました。

毎日、朝起きて目が覚めた瞬間から、大げさかもしれませんが、「生きてる、うれしい!」と思えるようになりました。そういう思いで朝からスタートできるので、そういう喜びを経験できてよかったなと思います。市川由紀乃の歌がこれからどう変化していくのかというのが楽しみで、こういう経験があったからこそ皆さんに届けられる歌があると信じているので、見守っていただきたいと思います。

――歌手としての目標を教えてください。

今後は、誰かの心に寄り添うことのできる歌い手になりたいですね。歌声もそうですし、その自分が発信する思いが誰かの役に立てる、そんな歌手になりたいです。

――ファンの方へメッセージをお願いします。

ご覧くださっている皆様、市川由紀乃です。新曲『朧』という歌に出会えたこと、そして今いろんな経験を重ねてきて出会えた作品だと思っています。この歌が皆さんの心のずっと奥の奥にまで届けられるように、これからの歌手人生を頑張ってまいりますので、ぜひ市川由紀乃、そして新曲『朧』の応援をよろしくお願いいたします。

――最後に、何か伝えたいことがあればお願いします。

皆さんも定期検診はきちんと受けてください。私は身をもって知りました。私は病院嫌いでしたので、体から何かしらの信号が出てきた時には、ちゃんとお医者様に見ていただくことの大切さというのを学びました。皆さんもお体を大事に、健康でいてください。

放送情報

放送チャンネル:CS放送チャンネル銀河

放送日時などの詳細は⇒
https://www.ch-ginga.jp/detail/nipponnouta_gingaselection/episode.html?id=24974

市川由紀乃『朧』

発売中

市川由紀乃『朧』豪華盤

豪華盤

品番:KIZM-815~6
価格:¥2,500(税込)

【収録曲】

1.朧(作詞:松井五郎/作曲:幸 耕平/編曲:佐藤和豊)
2.オリガミ(作詞:松井五郎/作曲:幸 耕平/編曲:佐藤和豊)
3.朧(オリジナル・カラオケ)
4.朧(一般用カラオケ・半音下げ)
5.オリガミ(オリジナル・カラオケ)
6.オリガミ(一般用カラオケ・半音下げ)

【DVD収録内容】

『朧』ミュージックビデオ
『朧』ミュージックビデオ・メイキング映像

特製スリーブケース仕様(初回製造分のみ)
2形態連動応募抽選【A券】を封入(初回製造分のみ)
12Pフォトブックレット

通常盤

品番:KICM-31170
価格:¥1,500(税込)

【収録曲】

1.朧
2.夕化粧(作詞:松井五郎/作曲:幸 耕平/編曲:佐藤和豊)
3.朧(オリジナル・カラオケ)
4.朧(一般用カラオケ・半音下げ)
5.夕化粧(オリジナル・カラオケ)
6.夕化粧(一般用カラオケ・半音下げ)

2形態連動応募抽選【B券】を封入(初回製造分のみ)

2形態連動応募キャンペーンの開催決定
〈豪華盤〉初回製造分に封入の【A券】と〈通常盤〉初回製造分に封入の【B券】の2種応募券で参加できる応募抽選施策を開催! 詳しい応募方法や抽選施策の内容は商品に封入される応募要項に記載予定。

※メーカー多売特典&超多売特典および日本レコード商業組合 100店キャンペーン対象店が決定しました。

詳細はこちら:
https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t16271/

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