愛しのレコードジャケット<三波春夫と音頭>編#3

2019.5.13

アナログレコードをこよなく愛するコレクター・もりしげゆき氏が、ジャケットデザインという観点から、演歌・歌謡曲のレコードを紹介する特集「愛しのレコードジャケット」。
歌謡界に多くの金字塔をうちたてた国民的歌手・三波春夫が歌った数々の「音頭」をテーマにした特集の第3回目は、テレビドラマやアニメなどとコラボした音頭たちだ。

ジャンルにとらわれない「音頭」の世界

三波春夫はテレビドラマ、アニメなどともコラボした様々な音頭を歌っている。

まず紹介したいのは「桃太郎音頭」。これは高橋英樹主演の時代劇「桃太郎侍」の挿入歌である。平尾昌晃作曲の軽やかなメロディに乗せて歌う三波春夫が、主人公桃太郎の魅力を余すところなく伝えている。

「ルパン音頭」はアニメ「ルパン三世」の劇場版「ルパンVS複製人間(クローン)」の挿入歌で、ルパン三世の原作者であるモンキー・パンチ氏が作詞を手がけている。
ちなみに、エジプト警察署長役として、三波春夫が映画の方にも声の出演を果たしている。

 

「しんちゃん音頭」は子どもたちに大人気のテレビアニメ「クレヨンしんちゃん」のエンディングテーマ。
アニメに音頭はつきものだが、三波先生ほどの大物歌手が歌うのは珍しい。
三波春夫の安定の歌声とクレヨンしんちゃんの掛け声が軽快で、三波春夫の音頭シリーズの中でもまた一味違った作品となっている。

 

コラボといえばもう一作品。アナログレコードではないが、記事冒頭の写真でも紹介した植木等のCDアルバム「雖然知道但無法停止(わかっちゃいるけどやめられない)」では、「二十一世紀音頭」にゲストボーカルとして参加し、無責任男と国民歌手が夢の共演を果たしている。

 

「三波の音頭か、音頭の三波か」と言われるほど数多くの音頭を歌ってきた三波春夫。
その「音頭の世界」は非常に幅広く、この連載で紹介した楽曲のほかにも様々な音頭があるので、是非この機会に聴いてみていただきたい。

次回は番外編として、意外な人たちが歌う音頭たちを紹介する。
(写真提供・文/もりしげゆき)

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