愛しのレコードジャケット <昭和歌謡界の女王・美空ひばり>#1

2019.6.14

私は普段、ネットオークションや通販サイトからレコードを購入しているが、たまに中古レコード店を数軒巡って掘り出しものを探すこともある。
先週も楽しみにしていたレコード店巡りに出かけたのだが、昼頃からぐんぐんと気温が上昇して、真夏のような天気になってしまい、結局この日は1店舗だけ訪れ早々に帰宅した。
残念だが熱中症になるよりマシである。
レコードコレクターの方も、そうでない方もこれからの季節はくれぐれも熱中症にご注意を。

”昭和歌謡界の女王”こと美空ひばり

さて、音頭や洋楽カバーをテーマに私のレコードへの思いを綴ってきたが、ここで忘れちゃいけない人がいる。”昭和歌謡界の女王”こと美空ひばりである。
ただのレコード好きの一般人でしかない私が、レジェンドであるひばりさんを語るなんて百億年早いと思うが、何卒ご容赦いただきたい。

ひばりさんの公式サイトによれば、「生涯レコーディング数1500曲、オリジナル楽曲数517曲」とある。
ひばりさんを女王と呼ぶのにふさわしい数字ではあるが、特に注目したいのは曲のジャンルが多岐に渡っている点だ。
心地よいスイングジャズを思わせる「少年キッド」、コミックソングの要素が入った「お祭りマンボ」、勝負の世界を重厚な演歌で表現した「柔」、当時流行のグループサウンズを取り入れた「真赤な太陽」、荘厳なバラードの「川の流れのように」と、ヒット曲だけでもかなり多彩である。
他にも洋楽邦楽問わず様々なジャンルの曲があり、コレクターとして収集欲が湧いてくる。
今回はそんなジャンルレスな数々の美空ひばりアナログレコードを紹介したい。

ひばり音頭
作詞:石本美由紀 作曲:原信夫


まず紹介するのはやはり音頭から。
“人気者には音頭あり”というのは私の持論だが、人気者とはいえ自身の名を冠した音頭は意外と少ない。
人気絶頂期のひばりさんだからこそのタイトルであろう。
歌詞もメロディも極めて正統的な音頭である。

子ども会音頭
作詞:松崎暎子 作曲: 朴 椿石

ひばりさんのイメージはモダンでもあり粋でもあり、少女歌手の頃から大人の雰囲気を持った人だったが、この音頭は子どもがテーマになっていて一見ミスマッチのようにも思える。
しかし、ひばりさんは実に楽しそうに歌っていて、まるでむじゃきな子どもが歌っているかのようだ。
ひばりさんの意外な一面を見たような感じのする曲である。

銀座音頭
作詞:西條八十 作曲:古賀政男

日本最大級の繁華街である銀座をテーマにした歌謡曲は多いが、西城八十、古賀政男、美空ひばりという豪華なトリオの曲が音頭というのも興味深い。
曲は、当時の賑やかな銀座の風景をひばりさんが軽やかに歌っている。

真赤な太陽
作詞:吉岡治 作曲:原信夫


当時大流行したグループサウンズを取り入れ、大ヒットとなった曲。
「ブルーシャトウ」をヒットさせたジャッキー吉川とブルーコメッツが演奏を担当している。
曲のイメージに合わせて、真赤なミニスカート姿のひばりさんというジャケットが秀逸だ。

恋の曼珠沙華
作詞:西條八十 作曲:古賀政男

ひばりさんが主演した東映映画「三百六十五夜」(1962年版)主題歌。
曲はひばりさんの十八番であるスイングジャズをベースとして、しっとりと歌いあげている。
映画のワンシーンを切り取ったと思われるジャケットも良い。

 

次回も引き続き<昭和歌謡界の女王・美空ひばり>第2弾として、珠玉のレコードコレクションをお届けする。

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