愛しのレコードジャケット <昭和歌謡界の女王・美空ひばり>#2

2019.6.28

今年の6月で没後30年を迎える“昭和歌謡界の女王”こと美空ひばりさん。
前回は、ひばりさんの楽曲のジャンルが多岐にわたっていることを特徴として挙げさせてもらい、私のひばりさんコレクションのなかでも、ジャンルレスな楽曲たちをメインに紹介した。
もう一つの特徴として、個性的なタイトルの曲が多いということも挙げられると思っている。
公式サイトのディスコグラフィーには、
「ロカビリー剣法」
「チューチューマンボ」
「ひばりのツイスト」
「すたこらマンボ」
など、興味深いタイトルが並んでいて、コレクター心を大いにくすぐられる。
(”ロカビリー”と”剣法”なんて、どんな曲か思わず聞きたくなるじゃありませんか!)

とはいえ、没後30年が経った今でもひばりさんの人気は根強く、また、ひばりさんのレコード専門のコレクターも多いと聞く。
実際、ネットオークションでひばりさんの珍しいレコードを入札したが、高値更新されて落札でき
なかったことが何度かあった。
稀少盤のレコードの入手はなかなか難しいが、こればかりは運もあるので仕方がない。
焦らずじっくり構えて収集していきたい。

というわけで、今回もまた、私のコレクションの中から美空ひばりさんのお気に入りのレコードを紹介する。


作詞:関沢新一 作曲:古賀政男


1965年日本レコード大賞受賞曲。
1964年開催の東京オリンピックで正式競技に採用された柔道の人気とあいまって、爆発的ヒットとなった。
曲は重厚な演歌であり、歌詞も勝負の世界の厳しさを表現している。
伝説となった1988年の東京ドーム不死鳥コンサートでは、イントロのティムパニと同時に大きな歓声があがり、ファンの人気がうかがえる。

思い出の鞄
作詞:保富康午 作曲:かとう哲也


A面は「ある女の詩」だが、B面のこちらをとりあげたい。
ニッポン放送「美空ひばりストーリー」の主題歌であり、ひばりさんの実弟であるかとう哲也が作曲している。
歌詞は、”思い出を鞄につめて旅に出よう、歌を歌うために”という内容であり、少女歌手時代から苦労して歌い続けてきたひばりさんだからこそ、聴く者の心に刺さる歌だと思う。

ひばり仁義
作詞:石本美由紀 作曲:市川照介


ひばりさんには「ひばり」と付いたタイトルの歌が多いが、これもその一曲である。
イントロからひばりさんのキレの良い口上で始まり、出生地である横浜などを演歌調のメロディに乗せて歌っている。
ジャケットの男姿が格好良い。

ふるさと太鼓
作詞:石本美由紀 作曲:船村徹


美空ひばり芸能生活30周年記念盤として発売された。
音頭調のメロディに乗せて、ひばりさんがこぶしを効かせて歌っている。
B面「ひばりづくし」は、タイトルにひばりさんの名が入っているが、歌詞はひばりさんについて触れていない。

お島千太郎
作詞:石本美由紀 作曲:古賀政男


ひばりさん主演の映画「新蛇姫様・お島千太郎」の主題歌。
哀愁あるメロディに乗せてひばりさんが切々と歌いあげている。
また、共演の林与一が曲中にセリフを入れて、歌を一層盛り上げている
ちなみに「ひばり仁義」「ふるさと太鼓」「お島千太郎」の3曲は、多数のひばりさんの作詞を手掛け、ひばりさん自身や母喜美枝さんからの信頼も厚かったと言われる石本美由紀氏である。

いかがだったであろうか。
アナログレコードでなくとも、CDやネット配信で聴くことができるので、機会があればぜひひばりさんの歌をじっくり聴いてほしい。

さて次回以降は、「令和」時代突入にちなみ「元号」や「世紀」をテーマにしたジャケットを全3回で特集予定だ。

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