愛しのレコードジャケット <昭和編~元号をテーマにしたレコードたち~>

2019.7.12

新元号に変わり3ヶ月が過ぎようとしている。
メディアは盛んに「令和初!」を強調するし、街中でも令和の文字を見かけるようになった。
かつて平成がそうだったように、やがて令和も生活の一部として馴染んでくるのだろう。

歌謡界でも令和をうたった曲が現れ始めている。
それ以前には、平成や昭和をタイトルに織り込んだ歌も数多く世に出ている。
そこで今回は、元号に関するレコードを紹介しよう。

昭和編~元号をテーマにしたレコードたち~

私が収集した元号にまつわるレコードの中で、最も多いのは「昭和」である。
戦後の混乱から高度経済成長期、石油ショックやバブル期など激動の時代である昭和は、歌謡曲のテーマにしやすいのかもしれない。

昭和枯れすゝき/さくらと一郎
作詞:山田孝雄 作曲:むつひろし


テレビドラマ「時間ですよ昭和元年」挿入歌としてヒットした。
愛し合う男女の悲しい結末を暗示する歌詞と哀愁を帯びたメロディは、チェーン店じゃない居酒屋のカウンターの隅っこで、日本酒をちびりちびり呑みながら聴いていたい。

昭和五十年音頭/三波春夫
作詞:三波春夫 作曲:北原じゅん


“音頭の神様”三波先生が、昭和五十年の節目を記念して制作した音頭。
戦後のどん底から復興し世界に躍進する昭和時代を綴った歌詞は、三波先生自ら作詞した。
A面「ニッコリ音頭」は、TVバラエティー「欽ちゃんのドンとやってみよう」主題歌。
三波先生と天才コメディアン欽ちゃんのツーショットは、今見ても貴重である。

大昭和音頭/村田英雄
作詞:金子知司 作曲:陸奥高志


“男村田”といえば今では読売ジャイアンツの村田修一コーチだが、昭和生まれとしては“ムッチー”こと村田英雄のことである。
「大昭和音頭」は、戦後から発展を続ける日本の姿を村田先生の重厚な歌声で歌いあげている。
ジャケットの村田先生の和服姿も凛々しい。

昭和ブルース/天地茂
作詞:山上路夫 作曲:佐藤勝


天地茂主演の人気ドラマ「非情のライセンス」主題歌。
オリジナルはザ・ブルーベル・シンガーズが歌った青春映画の主題歌だが、ドラマの人気もあって天地バージョンの方が有名だ。
天地茂といえば眉間にしわの渋い演技が特徴だが、ややかすれた低音の歌声も演技同様に渋く、昭和のダークな一面をシンプルな歌詞で表現した曲にマッチしている。

ちなみにオリジナルのジャケットはこちら↓

昭和実年音頭/玉置宏・市川昭介・星野哲郎
作詞:星野哲郎 作曲:市川昭介


数々のヒット曲を手がけてきた市川・星野コンビと、「一週間のご無沙汰でした」で有名な玉置宏が中年の哀愁をコミカルに歌った音頭。
ヒットメーカーや人気司会者の重圧から離れて歌うからだろうか、おじさんたちの歌声は実に楽しそうだ。

次回は、明治、大正、平成にまつわるレコードを紹介する。

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