愛しのレコードジャケット<演歌ディスコ編 #1>

2019.8.23

7月の冷夏はどこへやら…
8月になった途端、ぎらぎらと照りつける”イケナイ太陽“が戻ってきた。
海だ!フェスだ!花火だ!と、夏を楽しむ声が聞こえてくるが、くれぐれも熱中症には”赤頭巾ちゃんご用心”だ。

70年代のディスコブームが数々のジャンルに拡大

今回のレコジャケは、夏にふさわしくディスコソングを紹介しよう。
ディスコが誕生したのは70年代である。
最初はアメリカのダンスムーブメントだったのが、映画「サタデーナイトフィーバー」が大ヒットし、世界的なディスコブームが到来した。
ディスコブームでは、多くのオリジナルヒットが生まれると同時に、映画音楽や過去のヒット曲をディスコ風にアレンジしたカバーディスコや、怪物や超常現象をテーマにしたパロディディスコなども多数発売された。
私は中古レコードショップへ行くたびにそうしたレコードを買い漁り、気が付けば100枚以上になっていたのである。
中にはSMをテーマにしたものなどおバカなレコードもあるが、それはまたの機会に紹介するとして、今回は、日本独自のカバーディスコである「演歌ディスコ」をご覧いただこう。
(演歌でないものもありますが、そこはご容赦いただきたい)

ヘイ!ミスター・ヨサク/バラクーダ
作詞作曲:七澤公典 英訳詞:Bobby Sanchez

演歌の名曲、北島三郎の「与作」を大胆にディスコアレンジし、ポップなナンバーに仕上げた1曲。
歌詞は英語だが、原曲のイメージを損なわず英訳していて好感が持てる。
以前、レコードジャケットのイベントでこの曲をかけた時、会場が「hey hey ho!!」の部分で大いに大盛り上がり、以来イベントではテッパンの1曲になった。

ディスコお富さん/エボニー・ウエッブ
作詞: 山崎正 作曲: 渡久地政信

春日八郎のヒット曲「お富さん」のディスコカバー。
メンフィスで活躍する実力派グループ「エボニー・ウェッブ」が、赤坂のディスコ「ムゲン」に出演のため来日した際に録音された。
リードボーカルのパトリシア・ヘンダーソンが慣れない日本語歌詞に苦労しているものの、グループの演奏力の高さとパトリシアのキュートな歌声が魅力的だ。
しかしメンフィスからわざわざ呼んで、なぜ「お富さん」なのかは謎である。

ディスコ花笠音頭/エボニー・ウェッブ
作詞作曲:日本民謡

エボニー・ウェッブの日本語ディスコ第2弾は山形の民謡「花笠音頭」である。
パトリシアのボーカルは相変わらずキュートだし、切れの良いリズムセクションも健在だが、エボニー・ウェッブには「仕事選べよ」と言いたい。

ディスコスーダラ節/インベーダー
作詞:青島幸男 作曲:荻原哲晶

「スーダラ節」はクレージーキャッツを代表する大ヒット曲だが、植木等のセルフカバーを始め多くのカバーが世に出ている。
明るいメロディがディスコアレンジにはぴったりなのだが、欲を言えば植木等の歌で聞きたかった。

THE TOMBI(夕焼けとんび)/MITCHIE(三橋美智也)
作詞:矢野亮 作曲:吉田矢健治

三波春夫、村田英雄と並ぶ大御所、三橋美智也がディスコソングに挑戦した意欲作。
三橋美智也は、和服からトラボルタ風の白ジャケットを着用するなど結構ノリノリだ。
三橋はこのスタイルでカップラーメンのCMにも出演したが、CMを見た若者たちから「ミッチー」と呼ばれ大人気となった。

ディスコ体操ナンバー・ワン/ミスター・ケニー&アスレチック・ピープル
作曲:服部正

夏休みに朝早く起こされ、眠い目をこすりながらラジオ体操をしに行った思い出は誰にでもあるだろう。
この曲は「ラジオ体操第一」のメロディをディスコアレンジし、ジャケットに登場しているミスター・ケニーが、テンション高く体操の方法を説明している。
もしラジオ体操の会場にミスター・ケニーがいたら、皆勤賞だったかもしれない。

次回も引き続き、演歌ディスコのレコジャケを紹介する。

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