鳥羽一郎の次男・木村徹二がその名も『二代目』で演歌デビュー !「父が“木村徹二のお父さん”と呼ばれるまで頑張ります!」

2022.11.16

アコースティックデュオ・竜徹日記として活動してきた木村徹二が演歌でソロデビューする。父は鳥羽一郎、叔父は山川豊という強力な演歌のDNAを受け継いで放つ第一弾シングルはその名も『二代目』。作詞・作曲を竜徹日記で共に活動する実兄が手掛けた“男強い演歌”は、どこか父の後ろ姿も彷彿とさせる。偉大すぎる“先代”の築き上げた技を継承しつつ新たな時代へ挑戦する、二代目が背負った宿命を演歌のサラブレッドはどのように受け止めているのか。うたびと初インタビューで聞いた。


──竜徹日記の活動7年目にして、演歌でソロデビューとなった経緯を教えてください。

実はこの話を進めていたのは兄だったんです。兄は演歌歌手のみなさんに楽曲提供をすることもあるんですが、自分の声質は演歌向きではないと、仮歌を僕に頼むことが多くて。その音源を聞いたクラウンさんが『いいじゃないか』ということになったらしいです。この経緯も後から兄に聞いたもので、僕に話が回ってきた時点ですでにデビューが決まっていました。

──ご自身のお気持ちは?

それはもう、うれしかったです。幼い頃から父の歌を聞いて育って、いつか演歌に挑戦したいという思いはずっとありました。竜徹日記はポップスデュオですが、“耳にしてきた歴”は演歌の方が長いですから、歌っていてもしっくりくるものがありますね。

──お父さまの鳥羽一郎さんは、演歌の世界に進むことについてどうおっしゃっていましたか?

実は小学校くらいの頃から、父によく『お前は演歌をやるといいんじゃないか』と言われていたんです。僕が父の歌を口ずさんでいるのを聞いたのか、その真意はよくわからないですが。ただ、20歳くらいの頃に演歌デビューの話があったときは『断れ』と言われました。

──竜徹日記は大学卒業後に結成されているので、それ以前のことですね。

はい。当時、船村徹先生のパーティで僕と兄がサプライズ的に父の歌を歌ったことがありまして、それを聞いた業界関係者からたくさんのお話があったそうです。ただ父と船村先生の意見としては『何の経験もないお前にすり寄ってくるのは、“鳥羽一郎の息子”という後ろ盾が欲しい奴だけだ』と。僕もその意見には納得できたのですが、幼い頃の父の言葉から、自然と『いつか歌の道に進むだろう』と考えていたので、大学卒業後、就職はせずに兄と活動してきました。

──竜徹日記の活動を通して、歌の道への覚悟はどのように養われましたか?

この7年、たくさんの場所で歌ってきました。ライブハウスだけでなくショッピングモールやバー、路上……お客さんが1人もいないこともありました。ステージやトークを工夫して、なんとか足を止めてもらおうと奮闘しながら鍛えられた面はたくさんあります。演歌デビューにあたって父から言われたのは『わかっていると思うが、とてつもなく厳しい世界だぞ』とだけ。父も今なら、と認めてくれたのではないかなと思います。

左:兄・木村竜蔵 右:父・鳥羽一郎

──デビューシングル『二代目』を聞いて、お父さまにとてもよく似た声質に驚きました。まさにDNAですね。

兄はわりとシュッとしたタイプなのですが、僕は小さい頃から体がガッシリしているほうで、体型も元漁師の父によく似ています。体は声を響かせる楽器なので、声質も似通ってくるのかなと思います。ちなみに筋トレが趣味ですが、これ以上ムキムキにしないように現状維持に努めています(笑)

──キャッチフレーズは「ガツンと響く!アイアンボイス!!」。この声質を生かそうと、お兄さまも力のみなぎるような曲を書かれたのでしょうか。

最近の演歌はいい曲は多いけれど、父が歌っていたような“男強い演歌”は少ないと思うんです。演歌歌手としての木村徹二のコンセプトは、父の築いた“男強い演歌”の世界を継承すること。カラオケで歌う際には、ぜひ1音目からグッと力を入れてみてください。それほど難しい節回しがない曲なので、とにかく気持ちよく声を張り上げて。きれいにまとまるよりも荒削りに歌う方がハマる曲です。

──イントロの泣きのトランペットも“鳥羽一郎ワールド”を彷彿とさせますが、あえて「これが木村徹二だ」というところは?

無骨で実直な声や歌い回しが父の持ち味だと思うのですが、僕はポップスを歌ってきたこともあって、もう少し歌に柔軟性があると思っています。声の幅や音の広がりを聞いていただけたらうれしいですね。

──歌詞では先代へのリスペクトを込めつつ、「いつか超えてやる」と心意気を歌っています。何を実現したらこの世界で「父親を超えた」ことになると思いますか?

世間のみなさんにとって、今の僕はやはり“鳥羽一郎の息子”ですよね。それが何年先かはわからないけれど、父が“木村徹二のお父さん”と呼ばれるようになったら、ようやく肩を並べられるところまで来たと実感できるのかなと思います。歌は無形のものなのでどうやったら超えたことになるのかは難しいですが、この高い壁に挑むには精一杯磨き続けるだけだと思っています。

──ポップスならまだしも、演歌の世界ではやはり常に偉大な父親の影がついて回ると思いますが、どう受け止めていますか?

良くも悪くも二世という括りは先入観をもたれるものです。下駄を履かせていただけるありがたさはありますが、純粋な気持ちで歌を聞いてもらえないなど損することもなくはない。それは重々承知の上です。だけど唯一確かなのは、真に実力がなければ生き残っていけない世界だということ。二代目というのは抗えない運命として、世に出た後は自分次第だと思っています。

──プライベートについても教えてください。最近ハマっていることはありますか?

リサイクルショップ、いわゆる中古屋さんを見て回るのが好きで、先日も5000円のギターを買いました。見た目はボロボロだけど妙に気になって、どうやら60年前のものらしいです。家に帰って弦を張り替えたら、これがものすごくいい音が鳴りまして、まさに掘り出し物でしたね。値段以上のモノに出会える感動がたまらないです。

──やはり音楽がお好きなんですね。ポップスの活動はこれからどうされるのですか?

竜徹日記はもちろん今後も継続します。僕にとっては演歌もポップスもどちらも大切ですし、大谷翔平選手じゃないですけど、二刀流で行きたいですね。ただ演歌は今、お世辞にも大ブームという状況とは言えない。歌う人も聞く人も少なくなり、このまま何も手を打たなければ先細りしてしまいます。僕は、演歌は伝統芸能であり、次世代に継承すべき価値のあるものだと思っています。そのためにも父の時代にはなかったツールやノウハウを総動員して、新しいお客様をたくさん演歌の世界に連れて来たい。それが僕の二代目としての挑戦です。

──今後、どのようなことを実現したいですか?

紅白歌合戦にはやはり出場したいですね。演歌の枠も年々狭められていますが、決してゼロにしてはいけないと思っていますし、何よりNHKホールから帰ってきたときの父の誇らしい顔が忘れられないんですよ。普段は地方公演で忙しく飛び回っている父も、年末年始はなるべく仕事を入れず家族団欒の時間を作ってくれました。ご存知のように父は不器用な人間なので、子どもたちにかける言葉も少ないですが、それでもうちは家族みんな本当に仲が良くて。それもやはり父というがっしりした大黒柱がいてくれたからだと思います。

──では最後に「二代目」を聞くみなさんにメッセージをいただけますか。

昔ながらの“男強い演歌”を求めている方にぜひおすすめしたい、兄渾身の曲です。僕もみなさんにパワーを与えられるよう、力を込めて歌いました。今は父のステージにゲスト出演させてもらうこともありますが、いつか自分のステージに父を呼べるように頑張ります。今後も男強く骨太に精進していきますので、どうぞよろしくお願いします!

木村徹二 『二代目』

2022年11月16日 発売

品番:CRCN-8522
定価:¥1,400(税抜価格 ¥1,273)

【収録曲】
1. 二代目
作詩:木村竜蔵 / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山 敦
2. つむじ風
作詩:麻 こよみ / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山 敦
3. 二代目 [オリジナル・カラオケ]
4. つむじ風 [オリジナル・カラオケ]

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