デビュー5周年を迎えた朝花美穂が新曲『兄さ恋唄』をリリース 「曲とともに少しずつ大人の階段を上らせていただいていると感じています」

2023.9.6

昨年、5thシングル『しゃくなげ峠』で初の“セリフなし”“恋の歌”に挑戦した朝花美穂。5周年記念曲として9月6日に発売した『兄(あん)さ恋唄』(作詞:もず唄平 作曲:宮下健治 編曲:伊戸のりお)も、遊女を主人公にした前作の世界観を引き継ぎ、恵まれない環境に置かれた若い男女の純愛物語を抒情豊かに歌い上げている。セリフの語りがない歌唱だけの表現に挑戦したことで得た歌い手としての成長や、恋の話、プライベートでハマっていることなど、今年で25歳を迎えるその素顔に迫った。


歌だけで主人公の気持ちを表すことに挑戦

――新曲の『兄さ恋唄』は、ロングセラーとなった前作の『しゃくなげ峠』の姉妹曲ということですが、今回もとても物語性のある恋の歌になっていますね。

はい。今回も遊女が主人公の恋の歌ですが、恋とひと言で言っても、なかなか会えないお兄さんへ密かに心を寄せるような奥深さのある作品になっています。『しゃくなげ峠』の私は、‟2人はこういう道を歩んでいますよ”と俯瞰から説明する立場だったのに対して、今回は私自身が主人公になりきって、恋する女性の切ない気持ちを歌っています。まだ恋淡き私としては、前作以上に難しいと思った曲です。でも、この曲とともに少しずつ大人の階段を上らせていただいているのかなとも感じながら、思いを込めて歌わせていただいています。

――『しゃくなげ峠』も『兄さ恋唄』も、デビュー曲からこだわってこられたセリフの語りが入っておらず、歌のみのスタイルになっています。その点でも新たな挑戦になりましたね。

歌だけでどれだけ主人公の気持ちや景色を表現し、お客様にお伝えできるかということは、私にとって初めての挑戦でしたので、『しゃくなげ峠』から『兄さ恋唄』と大きな課題として取り組んでいます。でも、デビュー以来、目標にしていたことでもありましたから、勉強できる本当に貴重な機会をいただいたと感謝しています。

周囲から「恋をしなさい」と言われるけれど……

――カップリング曲の『花火草子』(作詞:もず唄平 作曲:宮下健治 編曲:伊戸のりお)も、セリフのない恋の歌で、美しく温かいメロディーに乗せた、聴き手が勇気をもらえる作品になっています。

歌詞の男女がカップルか夫婦かは、聴いてくださったお客様のご想像にお任せしますが、人生に行き詰った2人が、花火を見てもう一度人生をやり直す決意を歌った温かな雰囲気の作品になっています。実はこの曲のレッスンでは、歌い出しの「あなた」から次のフレーズに全然進めなかったんです。師匠の宮下(健治)先生からは「隣に好きな人がいるのを想像して歌いなさい」とアドバイスをいただき、歌うたびに「そうじゃない」とご指摘を受け、何百回もレッスンしてもらいました。

――まだ24歳、恋淡きお立場としては、「あなた」のひと言が難しかったのですね。

いろいろな方から「恋をしなさい」と言われているんですけどね。デビューして2年後にコロナ禍になって歌える場がなくなり、不安が募る日々を経験しただけに、今はお客様の前で歌をお届けできることが、とにかくうれしくて幸せで、もっともっとたくさんのお客様とご縁の輪ができればいいなということに夢中なんです。しばらくは音楽に恋をして頑張っていきたいので、本物の恋は……あと30年くらいはいいかなって思っています(笑)。

夢の座長公演に向け、さまざまな舞台を見て勉強中!

――もう1曲、カップリングとなっているのは、セリフ入りの名曲『瞼の母』。朝花さんにとって、お祖母様に教えてもらって歌うようになった大好きな曲で、「うたびと」の連載企画〈歌手人生に影響を与えた10曲〉にも挙げられています。

昨年、『令和にっぽん!演歌の夢まつり』という大きなイベントでも歌わせていただいたのですが、驚くくらい大きな拍手をいただきました。そのステージをきっかけに私のことを知ってくださり、ご縁をいただいた方も多く、私にとってはさらに大切な一曲となっています。大人の歌ですし、物語を理解しないと歌えない楽曲でもありますが、振袖姿で、表情や所作は忠太郎になり切れるように意識して歌うことで、また新しい自分の引き出しができたかなと思っています。

――セリフの言い回しはどのように練習しているのですか?

練習はしないで、そのときの気持ちで語っています。というのも、セリフ入りの楽曲を初めて歌った中学生のとき、言い方を一カ所一カ所覚えて臨んだら、気持ちが全然入らなくて、いかにも作ったセリフになってしまったんです。そのときから、セリフはメモに何回も書いて頭の中に入れるようにして、本番では、そのときの気持ちに委ねるようになりました。

――今年はデビュー5周年を迎えました。将来の夢は自分の歌と芝居と踊りで座長公演を行うことだそうですが、そのために今、努力されていることはありますか?

多くのことを吸収しようと思って、殺陣のお勉強をしたり、好きな大衆演劇だけではなく、さまざまなジャンルの舞台を観ています。6月にはウクライナの国立民族舞踊団の公演を観にいきましたが、25~30名の出演者の方々が一糸乱れぬ動きで踊られて、心を一つにしないとできないことだなと感銘を受けました。身体一つで伝えようとしているパワーを感じて、じゃあ声に出すことができる私の場合は、どのような表現をしたらよいのかと考えたりしました。

ヘアピースも手作り!ビジュアルでも自分の世界観を表現

――では、プライベートで今、ハマっていることは?

韓国コスメです。ネットで調べて、いろいろなものを買って試しています。尊敬している永井裕子さんのお肌がすごくキレイで、使っているファンデーションを教えていただいたことがきっかけです。歌での永井さんはすごくカッコいいですが、プライベートはとても女性らしくて、ヘアピースもご自分で作られるなど、身の回りのことをすべてご自身でなさるんです。その姿に憧れて、私も見よう見まねでいろいろチャレンジしています。

――ヘアピースを自作されているのですか?

はい。先輩の歌手の方やメイクさんに教えていただいて、100均で針金を買って土台を作って、ペンチを使って形を作って、そこに髪を載せてというふうに作っています。地味なお着物用に下目に付けられるヘアピースを作ったり、ドレス用にカールした長い髪がついたものを作ったり。先輩方が出演したテレビの映像を見て、後姿のスクリーンショットを撮って、それを自分で絵に描いてみてから作ったりもしています。あとは先輩方に教わって、お着物の半襟も自分で縫っていますし、コンサートの早着替え用に簡単に締められる作り帯も自分で作っています。

――そこまで自分でやられる歌手の方は少ないのではないですか?

もともと針仕事は好きですし、手作りすると、いろいろなアレンジを加えられて、自分好みに仕上げられますからね。私は自分の世界観や私らしさを歌だけでなく、ビジュアルでも表現できるようになりたいなと思っているので、その意味でも楽しんで作っています。

――今後は朝花さんオリジナルの髪型や帯の飾り部分にも注目ですね。では、最後に読者にメッセージをお願いします。

みなさまの応援のおかげで5周年という大切な節目を迎えることができました。まだまだわからないことや先輩方にお聞きしたいこと、学びたいことはたくさんありますが、今年は25歳になりますので、『兄さ恋歌』とともに、大人の女性としても成長していけるように頑張っていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします!

朝花美穂『兄さ恋唄』

発売中

品番:TKCA-91525
価格:¥1,500 (税抜:¥1,364)

【収録曲】

1.兄さ恋唄 (作詞:もず唱平 作曲:宮下健治 編曲:伊戸のりお)
2.花火草子 (作詞:もず唱平 作曲:宮下健治 編曲:伊戸のりお)
3.瞼の母 (作詞:坂口ふみ緒 作曲:沢しげと 編曲:矢田部正)
4.兄さ恋唄 (オリジナル・カラオケ)
5.花火草子 (オリジナル・カラオケ)
6.瞼の母 (オリジナル・カラオケ)

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