木村徹二の2ndシングル『みだれ咲き』が絶好調! 「後半も、この勢いのまま突っ走っていきたいと思いますので、皆さんもついてきてください(笑)」
デビュー曲『二代目』が話題を集め、昨年末に第65回日本レコード大賞新人賞を受賞した木村徹二が、その勢いのままに、2月にリリースした『みだれ咲き』。7月には特別盤(c/w『男の拳』『ハマナスの眠り唄』)も発売され、好調を維持している。キャッチフレーズの〝アイアンボイス〟に磨きをかけて、今年後半戦に向けて大輪の花を咲かそうと意気込む木村に、これからの芸能活動で挑戦したいこと、歌謡界で初めてできた可愛い〝妹たち〟のことや、家族であり芸能界の大先輩でもある父・鳥羽一郎、叔父・山川豊、兄・木村竜蔵への思いなどを語ってもらった。
――新曲『みだれ咲き』は2月のリリースから半年たちましたが、ここまで歌ってこられて手ごたえはいかがですか。
『二代目』に続く2作品目ということで、皆さんの期待も高かったと思いますし、その分プレッシャーもありましたが、お陰様で楽曲への評価がすごく良くて、そこは手ごたえを感じています。特にファンの方から「期待通りの曲を作ってもらって、ありがとう」という声をいただけたのはすごく嬉しかったです。同時に、こういう曲を作ってくれた兄にも感謝しています。
――歌詞を読むと、2番冒頭の「生まれた時代を恨むなら お前が時代となればいい」のくだりは、鳥羽さんからのエールのようにも聞こえますが、いかがでしょうか。
兄もこの歌を作る時に特に意識したわけではないと思いますが、自然と根底に父親の思いのようなものが流れているのかもしれません。実際、父の口から、「昔とは時代が違うからな」という話はよく出ますし、確かに僕も父親の頃と同じようにやっているだけではだめで、今の時代に合ったやり方を工夫するべきだと思いますから、そういう意味では(2番の歌詞が)父親からのエールになっていると解釈することもできると思います。
――『みだれ咲き』は、少し弱っている人に対して強く背中を押してくれるような力強い曲だと思います。木村さんは聴いてくださるファンに、この曲でどんなメッセージを届けたいですか。
今は何かに挑戦する前に、こんなリスクがある、こうしないと失敗するかもって、いろんな情報に振り回されてトライしにくい時代だと思うんです。ただ僕は、人生ってチャレンジの数で満たされる度合いが変わるのかなって思っていますので、この歌を聴いて、皆さんが一歩踏み出せる勇気をもっていただけるのなら嬉しいと思いながら歌っています。
――『みだれ咲き』を聴くと、「ら行」では巻き舌を使うなど、『二代目』よりもさらに力強く歌っているように思いますが、歌い方で意識していることはありますか。
この曲は力を込めようと思ったら、声が枯れるくらい込めることもできる曲です。ただ、全編通して100パーセントで歌っては逆に伝わらなくなってしまいますので、引くべきところは引いて、100パーセントで歌う部分は一瞬にするなど、抑揚をつけることは意識しています。
――一番の聴きどころを味わってもらうためにメリハリをつけているということですね。
そうですね。聴いていただく皆さんに、サビの部分で気持ちを盛り上げていただくために、他のパートをどう抑えて歌うかが大事なところだと思っています。
――この曲はお兄さんの竜蔵さんが作詞・作曲をされていますが、制作中にお互いに意見を言ったり、相談したりはされましたか。
曲を作る前に、僕の2曲目はどういう方向性にしたらいいと思うかというような相談はありましたが、楽曲の中身に関しては詞も曲も兄にすべて任せました。竜徹日記を始めた頃はふたりで曲を作っていましたが、クリエイティブな作業に関して僕が兄に勝てる要素はひとつもありませんでしたし、これまで完成した曲に疑問を持ったことも一度もありませんでしたから。今回も初めて聴かされたのはレコーディングの2、3カ月前だったと思いますが、聴いた瞬間に「よし!」って言う感じで、何も注文を付けるところはありませんでした。
――アレンジもかっこいいですね。アカペラから始まって津軽三味線が鳴り、そこにストリングスが被っていくという構成は、編曲を担当された遠山敦さんとのディスカッションで決めたのですか。
どういうイメージで作ろうかという段階で、僕がいいなと思った曲を何曲かピックアップしてお渡ししましたが、出来上がったものは、どの曲にも似てはいませんでした。なので、あのかっこよさは遠山さんの手腕。ドラマチックに表現していただいたと思っています。
――レコーディングには鳥羽さんも立ち会われたとのことですが、何かアドバイスなどはあったのでしょうか。
今回は、このパートはもっと弱く、ここは力強くなど、歌い方に関して今までになく細かくアドバイスしてもらいました。それもあって『二代目』の時に比べると、なかなかの回数を録り直しました。父が納得するまでは終われませんので、結局10テイクくらいは重ねたと思います。ここ最近は、近くで僕の『二代目』を聴いてきたので、もっとこう歌ったらいいのにというのがたぶん父の頭の中にあったのだと思います。それがレコーディングの時に出たんじゃないでしょうか。
――カップリングは王道の男歌『男の拳』と、雰囲気を変えて優しいバラード曲『ハマナスの眠り唄』が収録されています。まず『男の拳』ですが、気持ちよさそうに歌われているのが印象的でした。
父の歌を聴いて育ってきましたので、こういう〝男の世界〟的な演歌は歌っていると気持ちが乗ってきますね。それに、兄は僕の歌いやすいキーや発音、歌詞の語尾まで全部分かってくれていますので、とても気持ちよく歌うことができました。
――もう1曲の『ハマナスの眠り唄』は、かつて鳥羽さんがリリースされた『カサブランカ・グッバイ』のカップリング曲です。ボーナストラックにこの曲を選んだのはどうしてですか。
『カサブランカ・グッバイ』が出たのが1996年ですから、僕がまだ5歳の頃で、毎日、布団の上にスピーカーを置いて、寝る前にこのCDを聴いていました。特に『ハマナスの眠り唄』は子守歌代わりに聴いていた思い出があって大好きな曲でしたので、今回、歌わせていただきました。この曲は父がステージなどであまり歌っていなくて、せっかくいい曲なので、もっと皆さんに知っていただきたいという気持ちもありました。
――レコーディング時の映像を拝見しましたが、バイオリン、チェロ、ピアノなどの演奏と一緒に一発録りでした。最近では珍しいと思いますが、緊張されたのではないですか。
歌が出過ぎても、引きすぎてもよくありませんので、そのバランスを考えながら集中して歌っているうちに、いつの間にか終わったという感じでした。ただ、おっしゃる通り、後から歌を入れるのと違って一発録りですから、ミスできないというプレッシャーはありました。ドキドキものでしたね。
――さて11月には昨年に続いてワンマンコンサートが開催されますが、どんな内容になりそうですか。
昨年は、ひとりでコンサートをやること自体、始めてでしたし、もっと緊張するかと思っていたのですが、何でしょう、気づいたらもう最後の曲か、みたいな感じでした。ただ、父親と叔父が舞台袖にいましたので、それが気になって。早く帰ってくれないかな、なんて思いながら歌ってましたね(笑)。今年は2回目ですし、前回以上に楽しんでいただけるように、セットリストも含め思案中です。昨年はアンコールで、『酒と泪と男と女』を弾き語りで歌わせていただきましたので、今年も何か新しいことに挑戦できたらと思っています。乞うご期待!ということで(笑)。
――他にも秋から、コンサートが目白押しです。特に鳥羽さん、山川さんとご一緒することが多いと思うのですがお二人のステージから学ぶことも多いのではないですか。
すごくあります。トークもですが、やっぱり歌がすごい。かっこいい曲からセクシーな曲までさまざまなカラーを曲によって出せるのはさすがだと思います。時々、友人などから「コンサートに行ったんだけど、ずっと同じ曲を聴かされている感じだった」という感想を聞かされることがあるのですが、父や叔父の歌を聴くと一曲ずつがカラフルで、お客さんも満足そうに帰っていく。それを見ると、僕も見習っていかなくてはいけないと思います。
――9月には東北、11月には北陸や九州など、災害があった場所も回られますが、そういう場所で歌うことに特別な思いはありますか。
大きな震災などが起こると、被災者の方々に歌で何ができるのだろうと自問自答することがあります。物資や金銭的な支援の方が助かるはずなのは間違いないとは思うのですが、でも歌でしか救えない心もあるはずだとも思っていて、小さなことかもしれませんが、少しでも聴いてくださる方の心の支えになれればと思っています。
――お兄さんとのデュオ・竜徹日記のライブも好評ですが、今後も並行して続けられるのですか。
今は竜徹日記ではポップス、木村徹二の時は演歌や歌謡曲と歌う曲をはっきり分けていて、竜徹日記のライブは月に1回程度ですが、今後も続けていきます。先ほどの話ではありませんが、2つの形態で活動することで歌手としてのカラーバリエーションを増やすことができますから。
――YouTubeオフィシャルチャンネル『徹二の部屋』では「本気で歌ってみた」が好評ですが、今後はSNSを使ってどんなことをやっていきたいですか。
父や叔父の歌はステージでカバーすることが多いので、YouTubeでは、なるべくそれ以外の曲を歌うようにしています。石原裕次郎さんの『北の旅人』とか、あとは父もよくカバーしていた田端義夫さんの『玄海ブルース』なども歌っていますので、ぜひ聴いてみてください。僕はYouTubeもXも、SNSを告知だけの媒体にするのは嫌なので、もっといろんなことを企画していこうと思っています。まだ構想段階ですが、例えばアルバムやコンサートのセットリストに入れる曲を皆さんから募集するとか、とにかくファンの皆さんとの距離を近くできる企画を考えていきたいです。
――先日は『オールスター合唱バトル』(フジテレビ系)にも演歌チームの一員として参加されていました。Adoさんの『唱』を歌うなどチャレンジングな企画でしたが、大変でしたか。
基本的に演歌チームは皆さん地方へいっていらっしゃる方が多くて、他のチームのように仕事帰りに集まるみたいなことができないのが辛かったですね。そんな中で、皆さんよく覚えて歌ったなと思います。舞乃空さんが引っ張ってくれましたが、最年少でしたし大変だったと思います。
――療養中とお聞きしていましたが、番組には山川豊さんもご出演されていましたね。
今回は歌いませんでしたが、サプライズで応援に駆けつけてくれました。元気になられましたので、たぶん次回からは張り切って歌っていただけると思っています。
――以前、業界に友達があまりいないとおっしゃっていましたが、ひとつの目標に向かって皆さんで結束したことで、交流が盛んになったのではないですか。
何かよく分からないのですが、あの番組がきっかけで女の子の友達が増えて嬉しいです(笑)。先日は田中あいみさん、舞乃空さん、梅谷心愛さんが竜徹日記のライブにもきてくれましたし。でも、年齢を考えると3人とも妹というか、心愛さんなんかギリギリ娘といってもあり得る年齢ですので、友達というより妹や娘に遊んでいただいている感じです(笑)。
――遊ぶと言えば、最近は何か趣味で始めたことなど、ありますか。
あんまり新しく始めたことはないのですが、休みの時にひとり旅に出てみたりすることくらいでしょうか。先日も3連休をいただいたのでどこか行こうかと思っていたのですが、ちょうど台風が直撃してしまって残念でした。
――お仕事で地方に行かれることが多いと思いますが、プライベートでもあちこち行かれているのですね。
仕事で地方に行っても、結局、仕事だけしてすぐ帰ってということが多くて、その土地に行ったという実感を味わうことがほとんどできないものですから。だから例えば今の時期だったら、涼しい北海道で美味しい海鮮料理を食べたり、エスコンフィールドでファイターズの試合を見たり、というようなことをしてみたいなと思っています。
――そういえば以前は、地方に行った時に食べ歩きをするのが趣味だとおっしゃっていましたね。
ラーメン、カレー、四国に行けばうどんとか、全国には美味しいものがたくさんありますから、食べ歩きは大好きです。ただ、油断するとすぐ食べ過ぎてしまいますので、最近は気を付けています。
――さて、もうすぐソロデビューして2年になりますが、ここまで振り返って順調にきたという感じですか。
いや、それ以上かなと思っています。ソロデビュー前は6年くらい兄といっしょに歌っていましたが、こんなに注目されないのかっていうくらい話題になりませんでしたから、ソロになって皆さんから応援されて、本当に嬉しいです。父と同じ演歌というフィールドに立ったことで「鳥羽さんの息子さんだから応援に来たよ」という方も大勢いらっしゃって、想定以上の反響でした。
――何か今後、お仕事で歌以外に挑戦してみたいことはありますか。
いただけるチャンスがあれば、お芝居などもやってみたいです。この間、ミュージカルを見に行ったのですが、すごく感動して刺激になったので、歌でもジャンルの違うステージを踏んでみたいですね。バラエティー番組ですか? 出演できたら嬉しいですけど、お笑いが好きすぎて、僕なんかが芸人の方たちと一緒の場に立つのはおこがましいのではと思ってしまいますが(笑)。
――では最後に、年末に向けて『みだれ咲き』で突き進む決意と、コンサートで木村さんと会えるのを楽しみにされている全国のファンの方にメッセージをいただけますか。
『みだれ咲き』は、このままの勢いをもって突き進んでいければと思っていますので、皆さんも置いていかれないようについてきてください(笑)。そしてコンサートですが、これからも、できるだけいろいろな場所に行って、少しでも聴いてくださる方の人生のプラスになるような歌をお届けしていきたいと思っています。父・兄、そして元気になりました叔父も含めて皆様の元に伺えればと思いますので、ぜひ遊びにきていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
木村徹二『みだれ咲き』ミュージックビデオ
木村徹二『ハマナスの眠り唄』ミュージックビデオ
木村徹二『みだれ咲き【特別盤】』
発売中
品番:CRCN-8668
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.みだれ咲き(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
2.男の拳(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
3.ハマナスの眠り唄(アコースティックver.)(作詞:内館牧子/作曲:三木たかし/編曲:矢田部正)
4.みだれ咲き(オリジナル・カラオケ)
5.男の拳(オリジナル・カラオケ)
各配信サイト
https://lnk.to/midarezaki_sp
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