多岐川舞子が35周年記念曲『天上の花』をリリース 「燃えたぎる思いで駆け抜けます。どうぞついてきてください」

歌手生活35周年を控えた昨年から「感謝と勝負の2年間」と位置づけ、岡千秋、弦哲也とこれまで多くの楽曲を手掛けたヒットメーカーによるシングルを連続リリースしてきた多岐川舞子。そしてついに迎えた35周年イヤーの新曲『天上の花』は多岐川自身が全幅の信頼を寄せる徳久広司が作曲、持ち前の艶やかな歌声に静かに燃えたぎる情念をたたえたドラマチック演歌だ。昨年は18歳で単身離れた故郷の京都・南丹市の文化観光大使に就任。歌手として邁進してきた35年を経て、改めて思う故郷や家族との絆を聞いた。
──35周年記念曲『天上の花』がいよいよ完成しました。ここまで激しい女の情念を歌った歌は、長いキャリアの中でも珍しいのでは?
昨年始まったプレ35周年イヤーからどんどん気持ちを高めてきたところに、作曲をお願いした徳久広司先生がドーンと持ってきてくださったのがこの歌です。2人で手を縛って岬に立ち、私について来てと言い切る。かなりSっ気のある女性ですが(笑)、生半可な覚悟じゃないですよね。心中を思わせるような歌詞ではありますが、私としては『35周年を燃えたぎる思いで駆け抜けます。みなさん、どうぞついてきてください』という気持ちも込めて歌いました。
──歌詞には出てこない『天上の花』というタイトルは多岐川さんのアイデアだったそうですね。
私も今回初めて知りましたが、仏教用語で彼岸花、曼珠沙華のことをこう呼ぶそうです。おどろおどろしいイメージのある花ですが、経典には“おめでたい兆しに天から赤い花が降ってくる”と書いてあるそうで、35周年にもふさわしい。ぜひこのタイトルにさせてくださいとお願いしました。
──カラオケのアドバイスをいただけますか。
ただならぬ覚悟を歌っているからこそ、肝を据えて歌うとこの歌は引き立つと思います。声を張り上げるのはサビ前のパートだけで、あとは訥々と語りかけるように。静かに恐ろしく歌って、聞く人をゾクッとさせてください(笑)。
──カップリングには故郷の京都をテーマにした2曲を再録。原点回帰の思いもあるのでしょうか。
『京都…発』は徳久先生に出会ったシングル『幻海峡』(1997年)のカップリングで、嫁ぐ日の思いを母に向けて歌った歌です。私は18歳で京都から上京しましたが、母はその半年前に亡くなっていて『行ってきます』と言えませんでした。さすがに私はもう嫁ぐことはないとは思いますが(笑)、この歌を歌うとやっぱり初心に戻れますね。
── 一方、『京都 別れ雨』はシングル『京都 ふたたび』(2018年)のカップリング。こちらも徳久先生の作曲です。
ステージではアルトサックスを吹きながら披露している歌で、ファンのみなさんも舞子コールをしてくださって、とても盛り上がります。声出しもいよいよ解禁されましたし、5月28日に故郷の京都・南丹市でふるさとコンサートを行うことも決まりました。故郷のみなさんに『なんとか35年踏ん張ってきました』とご報告の意味も込めて、この2曲はぜひ入れたかったですね。
──昨年からは南丹市の文化観光大使に就任。改めて故郷に貢献できている感慨もあるのでは?
まだそこまでできているかわかりませんが、空気がおいしく緑豊かな故郷の風土は、たしかに私の歌手としての土台になっていると最近ひしひしと感じます。若い頃はカッコつけたり、しんどいときは余計に気取ったりもしたけど、小さい頃に野山を駆けずり回って見た四季折々の景色──。そういった記憶が歳を重ねることでどんどん深みを増していって、自然に自分の心の歌として歌えるようになった。それが今はとてもうれしく、歌っていて楽しいですね。
──故郷にはたびたび帰られますか?
コロナの期間はお仕事の時間も空いたのでよく帰省しました。この仕事をしているとなかなか実家にも帰れませんが、高齢の父ともたくさん話ができてよかったですね。父は『俺はモテるけど、お母さんの眠るお墓にほかの女の人を入れられないからな』と言って、独り身を貫いているんです。
──コロナ禍はご家族との触れ合いが深まったタイミングだったんですね。
妹ともよく一緒に台所に立ちましたね。妹は中3で母親を亡くしていて、女親に甘えたいときもあったと思います。だけど私も歌手活動に必死で、彼女の結婚式にも行ってあげられなかったし、出産も手伝ってあげられなかった。申し訳なかったという思いがずっとありましたが、今回のふるさとコンサートでは妹がとても協力してくれたんですよ。
──ご家族それぞれがさまざまな思いでこの35年を歩んでこられた。
そんな妹の娘も中3になりました。伯母と姪という距離感がちょうどいいのか、しょっちゅう電話がかかってきて、帰省したときはよく一緒に買い物に行きます。また、顔が似ているものだから『多岐川舞子の隠し子か?』なんて噂が出回ったくらい(笑)。
──そんな疑惑が出回るほど仲がいいんですね。
私に感化されたようで、姪っ子もアルトサックスをやっているんです。しかも私よりもいいサックスを買ってもらって、はるかに上手。『腹立つわ~』って思うんですけど(笑)。ダンスもやっていて、シングル『風の尾道』(2019年)のカップリング曲『八坂恋物語』の振り付けは姪っ子が一緒に考えてくれました。
──いつかステージで共演が実現するのでは?
そうですね。もともと父が音楽好きで私に歌を教えてくれて、その血が姪にも受け継がれていっているのかな、なんて感じています。また私は家庭もなく仕事に邁進してきましたが、故郷で暮らして子どもができて──という世界もあったかもしれないと、ふと想像したりもします。でも、やっぱりこれが私の運命でしょうね。35年経つとそんな覚悟もできます。
──それでは35周年イヤーに懸ける思い、そして『天上の花』を聞いてくださるみなさんにメッセージをお願いします。
昨年からプレ35周年イヤーとして、岡千秋先生からは『晩夏の岬』、弦哲也先生からは『凍る月』と素晴らしい歌をいただいてきました。そしてついに私のもとにやってきた『天上の花』。“真っ赤に燃えさかる多岐川舞子”というめったにお見せしてこなかった一面を、覚悟を持って皆さんにぶつけています。35年、ここまで来れたのはファンのみなさんのおかげですが、まだまだ叶えていない夢もあります。どうぞみなさん、『私について来て』くださいね。
多岐川舞子『天上の花』
2023年5月24日発売
品番:COCA-18127
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.天上の花(作詩/建石一 作曲/徳久広司 編曲/矢田部正)
2.京都 別れ雨(作詩/麻こよみ 作曲/徳久広司 編曲/前田俊明)
3.京都・・・発(作詩/吉田旺 作曲/徳久広司 編曲/南郷達也)
4.天上の花 (オリジナル・カラオケ)
5.京都 別れ雨 (オリジナル・カラオケ)
6.京都・・・発 (オリジナル・カラオケ)
7.天上の花 (半音下げカラオケ)
8.天上の花 (2コーラスカラオケ)
<あわせて読みたい>
多岐川舞子、東京・浅草の居酒屋「林の卓」でファンイベントを開催! 浅草寺でファンと共にデビュー35周年の飛躍を祈願
多岐川舞子が東京・新宿でバースデーライブを開催 プレ35周年記念シングル第2弾『凍る月』を11/23に発売!
多岐川舞子 南丹市文化観光大使に就任! 初の観光大使に気合充分「故郷の魅力を全国にアピールします」