【けん玉演歌歌手・三山ひろし】聴く人に安心感と活力を与える”ビタミンボイス”の魅力に迫る

2022.4.18

「ビタミンボイス」と称される清潔感と温かさがあふれる歌声で人気の三山ひろし。近年ではNHK紅白歌合戦でのけん玉ギネス記録挑戦のほか、落語やキャンプなど様々な趣味に全力で取り組んでいることでも知られています。そんな三山ですが、演歌歌手を目指して上京した時は、寝る間も無いほどの下積み生活を送っていたといいます。そこで今回は、三山が演歌歌手としてデビューするまで、デビュー後の活躍についてご紹介します。

演歌歌手デビューするまで

まずは、三山デビューまでの経緯をご紹介します。

働き詰めだった青春時代

幼少期の三山

三山は1980年9月17日に高知県南国市で誕生しました。小学生の時に両親が離婚。苦しい家計を支える母の負担になりたくないと考えた三山は、中学1年生から新聞配達のアルバイトを始め、高校卒業後は地元のガソリンスタンドに就職しました。

レッスンの成果が実り、NHKのど自慢のチャンピオンに

もともと「演歌歌手になる」という夢を持っていた三山は、ガソリンスタンドに就職した後も日々の仕事の合間をぬって演歌のレッスンに励んでいました。地道にレッスンを積み重ねた結果、2004年に地元・高知県で開催されたNHKのど自慢で氷川きよしの『白雲の城』を披露し、見事「今週のチャンピオン」になりました。そして、2003年度のNHKのど自慢グランドチャンピオン大会に出場するほどの実力を付けていきました。

上京し、作曲家・中村典正と演歌歌手・松前ひろ子のもとで修業

三山の師匠、中村典正(写真中央)と松前ひろ子(写真向かって右)

NHKのど自慢グランドチャンピオン大会に出場した三山は、本格的に演歌歌手を目指すために25歳で上京。作曲家・中村典正とその妻である演歌歌手・松前ひろ子のもとで修業を始めることになりました。中村は、北島三郎の『終着駅は始発駅』、鳥羽一郎の『男の港』や藤あや子の『むらさき雨情』を手掛けた作曲家。「山口ひろし」という別名義でも活動しており、「三山ひろし」の芸名は中村の別名義からとっています。松前は従兄である北島三郎の歌に影響を受けて歌手を志し、『祝いしぐれ』『初孫』などのヒット曲で知られている演歌歌手です。

ちなみに、三山が上京した時にウェイターとして働いた「Liveレストラン青山」は、松前が新たにオープンしたレストランでした。三山は昼は付き人、夜はレストランでのウェイター業務など、寝る間がほとんど無い修業生活を送りました。

『人恋酒場』で念願の演歌歌手デビュー

中村と松前のもとで演歌歌手としてのスキルを磨いていった三山は、2006年「第22回日本アマチュア歌謡祭」全国大会で最優秀歌唱賞を受賞、2007年「日本クラウン創立45周年記念新人オーディション」で準グランプリを受賞するなど、みるみる実力を付けていきました。この実績が認められ、2009年に『人恋酒場』で念願の演歌歌手デビューを果たします。

『人恋酒場』は発売から1年3ヶ月後に売上枚数10万枚を突破し、ゴールドディスクに認定されるほどのヒットを記録。2012年に発売した5枚目のシングル『男のうそ』ではオリコン演歌チャート1位を初めて獲得、長い下積み時代の経験がついに実を結んだ瞬間でもありました。

演歌歌手デビュー後の活躍

念願の演歌歌手デビューを華々しく飾った三山。デビュー後の活躍に触れていきます。

NHK紅白歌合戦に計7回出場

2015年にはNHK紅白歌合戦に初出場。同年2月にリリースしたシングル『お岩木山』を披露しました。三山はこの年を含めて2022年現在まで計7回連続で出場を果たしており、近年は後述するけん玉のギネス世界記録に挑戦することが恒例になっています。

よさこい親善大使に認定

三山のメディア出演やコンサートなど精力的な活動が認められ、地元である高知市から「よさこい親善大使」に認定されました。これは、高知のよさこい祭りを全国にPRする目的で作られた役職で、三山の前には演歌歌手の都はるみ、女優のソニンが就任しています。
また、2020年には高知県のご当地ソング『せられん』をカバーし、高知県立県民文化ホールで開いたコンサートで初披露しました。『せられん』とは、1978年にラジオの企画で生まれた楽曲で、親しみやすいメロディーに「スピード出したらいかんぞね」「女の子のお尻ばっかり 追わえよったらいかん」という軽妙な土佐弁がうけた高知の大ヒット楽曲です。地元・高知の観客を喜ばせようとする三山の地元愛がうかがえます。

三山の魅力とは

力強く透明感のある歌声で注目される三山。けん玉をはじめ、さまざまな趣味を披露しファンを楽しませています。

聴く人を癒す「ビタミンボイス」

三山の歌声は低音域から高音域まで幅広く響くことが特徴で、聴く人に安心感と活力を与えるということで「ビタミンボイス」と呼ばれています。
例えば、2015年にNHK紅白歌合戦に出場した際に披露した『お岩木山』は晴れわたる空や遠くに見える山々、湧き出る清水といった風景を爽快な曲調とともに表現しており、2016年2月にリリースした『四万十川』は、自身の出身地である高知に流れる四万十川をモチーフに、故郷の面影やしぶきに打たれながらも海を目指す決意を見事に歌い上げています。

また、コンサートでは自身の楽曲だけでなくマイク眞木の『バラが咲いた』、森山良子の『この広い野原いっぱい』、ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』、井上陽水の『夢の中へ』、南こうせつとかぐや姫の『神田川』、中島みゆきの『時代』などのフォークやニューミュージックを披露することもあり、幅広い音楽性に対応できる歌唱力を持っていることがうかがえます。

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ギネス世界記録に挑戦する「けん玉歌手」

三山といえば、NHK紅白歌合戦で毎年披露されているけん玉ギネス世界記録挑戦を思い浮かべる方も多いかもしれません。もともとは2012年頃からコンサートの余興として始めたもので、2017年には芸能界で単独最上段位であるけん玉四段を取得しています。

2017年に出場したNHK紅白歌合戦では残念ながらギネス世界記録達成とはなりませんでしたが、2018年に出場した際は三山を含む124人全員が「大皿」を成功し、ギネス世界記録に認定。その後、2020年には125人、2021年には126人とギネス世界記録を更新しています。

けん玉だけじゃない!多彩な趣味

けん玉のイメージが強い三山ですが、実は他にもさまざまな特技や趣味を持っています。自身のYouTubeチャンネルではカブトムシやオオクワガタの飼育、キャンプ、スノーボード、コーヒーなど、さまざまな特技・趣味を楽しんでいる様子が公開されています。

また、近年は新たな趣味として古典落語に挑戦。落語家の立川志の春の下で本格的に落語を習得し、「三山家とさ春」としてイベントでも披露しています。

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多彩な一面を見せてくれるビタミンボイス

演歌歌手としての実力もさることながら、師匠・中村の妻である松前が、「彼には人を思いやる心がございます。歌だけではなく「人間性が演歌歌手」だと感じています」と語るほど、家族を含めた周りの人物を大切にする気持ちが人一倍あることがうかがえます。
王道演歌からフォーク・ニューミュージックまで幅広く歌いこなす歌唱力、趣味に打ち込む一面、人を思いやる心。三山が演歌歌手として第一線で活躍している理由は、このような多彩な魅力にあふれていることなのかもしれません。

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