【演歌第7世代とは?】令和の演歌界をけん引する歌手の特徴と第1~第6世代の歴史

2021.11.8

最近お笑い界では若手芸人を中心とした「第7世代」がブームになっていますが、演歌・歌謡界にも「演歌第七世代」の新風が吹いているのをご存じでしょうか? いま演歌・歌謡界では若手歌手の活躍が目覚ましく、注目の的となっています。令和の演歌・歌謡界をけん引する演歌第7世代とはどのような存在なのでしょうか?
今回は演歌第7世代の特徴と代表的な歌手、また演歌の歴史を振り返りながら第1~第6世代についてもご紹介します。

演歌第7世代の特徴とは?

「演歌第7世代」という言葉は歌手・美良政次の発言により広まったといわれており、明確な定義はありませんが20代~30代前後、デビューして5年以内の若手演歌歌手を指すことが多いです。

演歌第7世代の最大のポイントは、現代に即したアプローチをしていること。ファンとの距離感が近いSNSで積極的に発信し、YouTubeなども活用しているのが特徴です。また、20代前半で若くしてデビューする歌手が多く、爽やかな外見と確かな歌唱力により幅広い世代から人気を博しています。

それでは、ここから演歌第7世代に当てはまる主な歌手をご紹介します。

中澤卓也

中澤卓也はレーシングドライバーを目指していた過去があり、作曲家・田尾将実氏に弟子入り。2017年に『青いダイヤモンド』で演歌歌手としてデビューしました。YouTubeでは中澤のレーシング姿が見られる「爆走 ! 卓也くん !!!」シリーズも人気です。

人生の挫折が転機に!中澤卓也の異色の経歴と、師・田尾将実の教え
https://www.utabito.jp/news/8169/

新浜レオン

新浜レオンは「伯方の塩」のCM曲で知られる歌手・高城靖雄を父にもち、「歌謡新時代の恋人」と呼ばれています。

新譜!にっぽんのうた~ノーカット編~新浜レオン『ダメ ダメ…』 ※本人コメント動画
https://www.utabito.jp/insidestory/9325/

真田ナオキ

真田ナオキは東日本大震災をきっかけに吉幾三氏に師事。2016年に『れい子』でデビューし、演歌界に足を踏み入れたという経歴の持ち主です。

新譜!にっぽんのうた~ノーカット編~真田ナオキ『真田ナオキの世界』 ※本人コメント動画
https://www.utabito.jp/insidestory/8648/

辰巳ゆうと

辰巳ゆうとは中学1年生で長良プロダクション主催のカラオケ大会で優勝。大学在学中である2018年に『下町純情』でデビューしました。

【本人コメント映像】新譜!にっぽんのうた~ノーカット編~辰巳ゆうと『誘われてエデン』
https://www.utabito.jp/insidestory/7107/

青山新

青山新は水森英夫氏に弟子入りして19歳のときに『仕方ないのさ』でデビュー。2021年現在まだ21歳のフレッシュな注目歌手です。

青山新 コロナ禍の中迎えたデビュー2年目、そしてハタチ 新曲『霧雨の夜は更ける』で魅せる大人の雰囲気
https://www.utabito.jp/interview/7197/

門松みゆき

門松みゆきは第一興商カラオケガイドボーカル150曲以上を担当したこともある実力派。2019年に『みちのく望郷歌』でメジャーデビューし、2021年5月30日にテレビ東京で放送された「THEカラオケ★バトル」では初出場で初優勝を勝ち取りました。

門松みゆきがコロナ禍の中見つけた生きる道――『花の命』では“大人の愛”を歌ったロマンチック歌謡に挑戦
https://www.utabito.jp/interview/6859/

望月琉叶

望月琉叶はアイドルユニット「民族ハッピー組」のメンバーと演歌歌手の2足のわらじを履き、さらに「グラビアもできる演歌歌手」として注目を集めています。

セカンドシングル『面影・未練橋』で紅白を目指す望月琉叶 「コロナが終わったら、世界中の人に歌を届けたい!」
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第1世代から第6世代も紹介!

ここまで演歌第7世代についてご紹介しましたが、演歌第1~第6世代はどのような特徴があるのでしょうか?世代については諸説ありますが、ここでは一般的な各世代の代表歌手、また時代背景などについてご紹介します。

第1世代~レコード・ラジオの普及~

演歌第1世代には、春日八郎や、三橋美智也、三波春夫らがあたりますが、当時は「演歌」という呼び名はありませんでした。演歌の起源は明治初期に流行った「演説歌」と言われていますが、昭和20年(1945)の敗戦後はジャズ調のレコード歌謡が主流となり全国にラジオが普及。日本らしい特徴の田舎調の曲が流行し、春日八郎らの曲がヒットします。演歌第1世代は戦後昭和の歌謡界を盛り上げ、「演歌」の礎を築きました。

第2世代~戦後歌謡の女王たち~

演歌第2世代は、美空ひばり、島倉千代子らです。幼くして歌謡界の頂点に立った美空ひばりと、それに憧れて歌手になった島倉千代子。圧倒的な歌唱力で人気を博した2人は、同じ学年だったことから一時期はライバルともいわれました。しかしその裏では、苦労を重ねたもの同士の絆があったようです。戦後歌謡の女王・昭和の歌姫とも呼ばれた2人は、第1世代とともに演歌・歌謡界をけん引し黄金期を誇りました。

第3世代~音楽業界の隆盛~

演歌第3世代は、北島三郎、五木ひろし、森進一らです。1960~1970年代に人気絶頂となった第3世代は、日本を代表する演歌歌手を輩出しました。また、作詞家の阿久悠・なかにし礼が人気歌手の作詞を手がけて大躍進するなど音楽業界が盛り上がります。この頃の日本は終身雇用制度が普及し、「一億総中流」社会に突入。生活水準が向上し、人々の日常に音楽を楽しむ余裕が生まれました。

第4世代~カラオケの大ヒット~

演歌第4世代は、八代亜紀、石川さゆり、吉幾三、細川たかしらです。1970年代後半に知名度が上がった第4世代は、おもにモダンな曲調が人気を誇りました。この頃になると演歌はこぶしをきかせるなどの特徴が際立つようになります。また、カラオケの普及により夜の盛り場などで演歌がよく歌われました。演歌以外では「ニューミュージック」と呼ばれる音楽が登場し、流行しました。

第5世代~平成世代の歌謡曲として~

演歌第5世代は、水森かおり、氷川きよしらです。この世代は平成に突入した1990~2000年にヒットを生み出しています。平成時代の音楽シーンはJ-POPなど若者世代の歌が席巻したため、一部のレコード会社では演歌部門が撤退するなど演歌の市場規模は縮小しました。そのなかで氷川きよしらの若手演歌歌手がヒット曲を生み出し、演歌ファンを熱狂させました。特に氷川きよしは「演歌界のプリンス」と呼ばれ、演歌ファンに限らずその名が知られるほど幅広い支持を獲得します。

第6世代~個性的な演歌歌手へ~

演歌第6世代は、山内惠介、丘みどり、三山ひろし、純烈らです。おもに2001年以降にデビューした世代で、丘みどりはアイドルから演歌歌手に転身、純烈は健康センターやスーパー銭湯などで地道に営業活動を続けるなど、従来の演歌歌手とは違う個性的な歌手が増えました。
演歌は「BS日本のうた」「うたコン」などの番組が中心となり、新曲より往年の名曲を紹介するパターンが多くなります。そのため、演歌歌手は自身の楽曲より歌唱力を活かしたJ-POPや洋楽などのカバー曲を披露することも増えたようです。演歌のファンは昭和時代に親しんでいた世代が中心ですが、その影響を受けた若者世代のなかにもファンが誕生するなど、演歌は一部の熱烈なファンによって支えられるようになりました。

新しい演歌を発信する第7世代

戦後から発展した日本の演歌は、令和の現在、演歌第7世代によって引き継がれています。伝統的な風情を保ちながらも、新しい風を吹かせている第7世代の歌手たち。コロナ禍のなかでもSNSを駆使してファンとの距離を縮めてきた彼らは、これからもさまざまな形でファンを喜ばせてくれるでしょう。演歌第7世代のこれからの活躍に注目ですね。

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