境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~
美空ひばりの総合プロデューサーとして活躍する一方、数多くのミリオンヒットで演歌・歌謡曲の黄金時代を築いた元日本コロムビアの境弘邦氏。
週刊「ミュージック・リポート」の連載で好評を博した、当時のウラ話満載のコラムを「うたびと」限定でお届けする。
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2019.06.20美空ひばりの総合プロデューサー境弘邦氏が語る”ひばりさんとの思い出”
美空ひばりさんの命日である6月24日に『没後30年 美空ひばり特集』と題して関連番組がCSエンターテインメントチャンネル「チャンネル銀河 歴史ド…
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2019.06.19「周防社長が残した足跡」 周防社長と長山洋子編⑦【第71回・最終回】
周防社長が残した足跡 「実は洋子の市原での十五周年コンサートの事を長良さんに事前に話してきました」 「ああそれは良かった。俺も気になっていた。長…
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2019.06.18「周防社長と長良会長との友情」 周防社長と長山洋子編⑥【第70回】
周防社長と長良会長との友情 「そっちは雨はどう?」 夜明け前、周防社長からの電話で起こされた。コンサート準備の為、このホテルに泊まって三日目にな…
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2019.06.17「長山洋子 周防社長のふる里で十五周年記念コンサート」 周防社長と長山洋子編⑤【第69回】
長山洋子 周防社長のふる里で十五周年記念コンサート 差別化…私は当時の風潮で誰もが敬遠していた暗くて重い三連の作品をディレクターの藤田君と相談し…
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2019.06.14「長山洋子演歌歌手へ転身」 周防社長と長山洋子編④【第68回】
長山洋子演歌歌手へ転身 「モシモシ!ビクターの飯田と申します」 と丁寧な電話をビクターの飯田専務(当時)から頂いた。 私がまだコロムビアでアルバ…
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2019.06.13「豪華賞品のゴルフコンペ」 周防社長と長山洋子編③【第67回】
豪華賞品のゴルフコンペ 「細川たかしデビュー十五周年を記念して日頃お世話になっているマスコミの人達のゴルフコンペをやりたい」 周防社長から提案が…
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2019.06.12「細川たかし『矢切の渡し』ヒットの裏で…」 周防社長と長山洋子編②【第66回】
細川たかし『矢切の渡し』ヒットの裏で… 私が周防社長を強く意識するようになった切っ掛けはコロムビア時代に遡る。昭和五十八年細川たかしの『矢切の渡…
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2019.06.11「運命の円通寺坂」 周防社長と長山洋子編①【第65回】
運命の円通寺坂 赤坂はその名の示す通り坂の街である。この坂の街の頂上にコロムビア本社とバーニングプロダクションはあった。両社は歩いて二、三分の距…
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2019.06.10「ドキュメンタリー番組『そして歌は誕生した』」 親友 益弘泰男さん編②【第64回】
ドキュメンタリー番組「そして歌は誕生した」 テレビ番組の企画制作は面白い。すっかり虜になった私は密かに次の企画を練っていた。かつての歌の制作体験…
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2019.06.07「昼の顔と夜の顔」 親友 益弘泰男さん編①【第63回】
昼の顔と夜の顔 大阪ミナミの盛り場、三ッ寺筋に居酒屋〝小径〟はあった。年の頃六十前後のおばちゃんが一人で切り盛りしていた。 この店の常連客だった…
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2019.06.06「大量買取りを拒否、苦難の道を選ぶ」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑯【第62回】
大量買取りを拒否、苦難の道を選ぶ 私がまだ大阪支店で試用員として働いていた頃、本社で受けた個人研修で、一枚のレコードがお客様に届くまでいかに多く…
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2019.06.05「湯治場で聴いた『さざんかの宿』」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑮【第61回】
湯治場で聴いた『さざんかの宿』 余命三ヶ月の宣告から逃れ、蔵王の麓、鎌先温泉で聴いた男性合唱の『さざんかの宿』は忘れられない一曲になった。 今で…
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2019.06.04「膵臓手術に怯え逃げ出す」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑭【第60回】
膵臓手術に怯え逃げ出す 昨年の私の誕生日に嫁を連れて白石蔵王に行った。 「これから行く温泉場はお前も覚えていると思うが三十年以上前、俺が医者に余…
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2019.06.03「門倉有希への未練」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑬【第59回】
門倉有希への未練 私は門倉有希の歌に魅せられていた。あの哀愁を帯びた声が大好きだった。 平成四年、私はコロムビアを退社した後、彼女と仕事をするこ…
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2019.05.31「新宿二丁目は演歌修行の街」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑫【第58回】
新宿二丁目は演歌修行の街 近ちゃんの店は通称“二丁目”と言われる街の入口にあった。古い小さなビルの二階にあった。 〝近藤〟と店名の入ったグリーン…
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2019.05.30「歌仲間の溜り場 歌舞伎町〝萌木〟」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑪【第57回】
歌仲間の溜り場 歌舞伎町〝萌木〟 「新宿新田裏の信号を斜めにラブホテル街に入って下さい」 私は都内どこでタクシーを拾っても運転手さんに同じことを…
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2019.05.29「第一回ディレクター競作」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑩【第56回】
第一回ディレクター競作 長い伝統と習慣に守られて来たタレントとディレクターの縦割制度に風穴を開けるための社内異動を実施した結果、五十人近いタレン…
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2019.05.28「中村一好の追っかけ」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑨【第55回】
中村一好の追っかけ 中村一好は、私が毎夜のように追っかけ回すことを最初は嫌っていた。 自分のペースが狂って来るとか…私にもプライベートがあるとか…
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2019.05.27「盟友 中村一好との出会い」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑧【第54回】
盟友 中村一好との出会い 今度の異動先は正式には日本コロムビア株式会社レコード事業部制作本部第一企画グループという偉そうな名前の部署だった。要…
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2019.05.24「営業から制作へ」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑦【第53回】
営業から制作へ 船村先生との思い出話から時計の針を制作部に異動した当時に戻したい。 昭和五十三年八月の異動で、また営業から外れ、四十一歳で新天地…
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2019.05.23「プロにはプロの見えない糸」 流浪のサラリーマン時代 本社編⑥【第52回】
プロにはプロの見えない糸 昨夜、苦労して自分で歌った自慢のデモテープをいよいよひばりさんに聴いてもらう瞬間が来た。多少気持ちの高揚はあったが、自…
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2019.05.22【第51回】流浪のサラリーマン時代 本社編⑤「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
美空ひばりに聴かすデモテープを自分で録音 通常、作曲家から頂く譜面には自ら歌って作品のイメージを表現したデモ音源(デモテープ)が付いている。 や…
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2019.05.21【第50回】流浪のサラリーマン時代 本社編④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
四十六歳 ディレクター一年生 いつもそうだが、ひばりさんが席を立ったらすぐ近くの別室に待機している範ちゃん(長年ひばりさんの側で身の回りのお世話…
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2019.05.20【第49回】流浪のサラリーマン時代 本社編③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
巨匠 船村徹逝く 先生との思い出 久しぶりに『新宿情話』を聴いた。とても悲しく聴こえた。八十四歳で旅立たれた船村先生の御遺体のそばで香田晋が先生…
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2019.05.17【第48回】流浪のサラリーマン時代 本社編②「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
名作『花街の母』大ヒット秘話 「それは無理です。いくら境さんの頼みでもここ暫くプレスの無い『花街の母』をしかもいきなり三万枚も作れなんておかしい…
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2019.05.16【第47回】流浪のサラリーマン時代 本社編①「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
東京営業所から無念の転勤 私と新星堂宮崎社長との交渉決裂の話はメーカー会に筒抜けになった。 コロムビアが新星堂、星光堂に自社商品を卸さない。前代…
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2019.05.15【第46回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑮「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
東京営業所で受けた試練 うちの会社には家を買うと決まって転勤になるというジンクスがある。 おまえも用心しろよ!と仕事仲間から注意されたが、用心し…
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2019.05.14【第45回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑭「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
細川たかし『心のこり』のエピソード 音楽の専門店を目指していたマリウスの主力店は横浜西口ダイヤモンド地下街にあった。 横浜高島屋、相鉄ジョイナス…
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2019.05.13【第44回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑬「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
人生の節目を過ごした横浜 「こんな若い人に任せて大丈夫か?横浜は難しい所だよ…」 昭和四十九年二月、私は上司の営業部長に連れられ、横浜マリウスの…
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2019.05.10【第43回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑫「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
営業所長は何でも屋 昭和四十九年春、私は横浜営業所の所長になった。神奈川県全域と静岡県の大井川以東が担当エリアだった。 このエリアにはコロムビア…
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2019.05.09【第42回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑪「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
再び営業最前線に復帰 ぴんから兄弟『女のみち』が大ヒット 昭和四十六年、私は川崎工場の商品部レコード管理課長になった。三十四歳の春の昇格だった…
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2019.05.08【第41回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑩「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
天国から地獄への転勤 どこに隠してあったのかと思われるほど、レコード店からCBS商品の返品は続いた。処理しても処理しても、長年に亘りこびり付いた…
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2019.05.07【第40回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑨「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
販売店の倒産、閉店を味わった小倉時代 神話の里と呼ばれる高千穂と云う町がある。天照大神の降臨の地として、又夜神楽でも有名なこの町は宮崎県北の延岡…
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2019.05.06【第39回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑧「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
ゴルフと焼酎の洗礼 ビューン、ビューンとクラブを振る音はするが、ボールは微動だにしない。元高校球児の自信はあっさり消え、私は焦り出した。 止まっ…
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2019.05.03【第38回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑦「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
神戸から小倉へ転勤 百万ドルの夜景とはよく言ったもので六甲山から眺める阪神工業地帯の夜景は溜息が出るほど見事なものだった。 五年も神戸に居たが、…
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2019.05.02【第37回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑥「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
砂川の親父さんと『帰って来たヨッパライ』 「儲かったら山分けやでぇ!」 『帰って来たヨッパライ』の発売をコロムビアが断ったと知った砂川の親父さん…
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2019.05.01【第36回】流浪のサラリーマン時代 営業所編⑤「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
演歌の神様は販売の神様でもあった 神戸新開地の砂川レコード店の三軒隣りに古い喫茶店があった。 時代を感じさせるこの喫茶店の一番奥が砂川の親父さん…
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2019.04.30【第35回】流浪のサラリーマン時代 営業所編④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
演歌の神様と言われた砂川社長 神戸に演歌の神様が居た。砂川レコード店の砂川盛彦社長のことを演歌業界の人は神様と言っていた。 第一印象を聞かれると…
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2019.04.29【第34回】流浪のサラリーマン時代 営業所編③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
村上社長と最後の喧嘩 「オイ境、俺が今何処に居るか当ててみろ!」 大蓄の村上社長から突然の電話だった。 わかる訳もなかったが、取り敢えずヨイショ…
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2019.04.26【第33回】流浪のサラリーマン時代 営業所編②「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
神戸大蓄 村上社長と麻雀 「これを持って早く帰りなさい」 私が仕事の合間を利用して神戸元町の大蓄を訪店すると、決まって奥さんが冷蔵庫の中の食料品…
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2019.04.25【第32回】流浪のサラリーマン時代 営業所編①「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
正社員になれた 小さな桐の箱に入ったコロムビアの社章をやっと手にした。 わずか三センチ四方ほどの軽い箱だったが、私にとっては将来の進路を決めた大…
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2019.04.24【第31回】島倉千代子とのエピソード⑤「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
『人生いろいろ』で再度紅白に出場 皮肉にも昭和六十二年末に行った島倉さんの紅白辞退記者会見の翌年に『人生いろいろ』が大ヒットした。 当然のように…
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2019.04.23【第30回】島倉千代子とのエピソード④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
島倉さんが作った土手鍋の味 ディレクター競作や初めての新曲キャンペーンが功を奏し『鳳仙花』は久しぶりのヒットになった。喜んだ島倉さんが関係者を当…
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2019.04.22【第29回】島倉千代子とのエピソード③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
ヒット曲『鳳仙花』で初めてのキャンペーン 十四メートルの大津波に襲われた宝来館に、歌碑の除幕式前日、全国からファンの人達が集まっていた。私達一行…
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2019.04.19【第28回】島倉千代子とのエピソード②「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
島倉千代子から突然の電話 美空ひばりを“お嬢さん”、島倉千代子を“看板”と私は呼んでいた。 その看板から二〇〇七年年明け早々久しぶりの電話が入っ…
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2019.04.18【第27回】島倉千代子とのエピソード①「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
被災地に島倉千代子の歌碑建立 ミュージック・リポート誌の「あの日、あの頃」の連載を依頼されたとき、お受けするか迷いに迷ったが、この機会に自分史の…
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2019.04.17【第26回】コロムビア試用員時代④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
大恩人 鎌田営業部長への想い 分厚い扉を開けた瞬間、大音量の音が飛び出して来た。当時は現在のようなマルチ録音ではなくオーケストラと歌の同時録音で…
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2019.04.16【第25回】コロムビア試用員時代③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
初めての東京出張 大阪支店営業会議に乱入した時、初めて見た営業マンの格好良さは私に強烈な印象を与えた。 “憧れのコロムビアのロゴマークの入ったネ…
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2019.04.15【第24回】コロムビア試用員時代②「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
返品に激怒 営業会議に乱入 試用員の給料は月一万二千円で、それが月に二回に分けて支給された。前半の給料は毎日利用していた近くのメシ屋のツケの支払…
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2019.04.12【第23回】コロムビア試用員時代①「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
大阪で味わったボロボロの青春 大阪ミナミの繁華街と糸商人の町船場の間を東西に走る長堀通りは今は地下に巨大な駐車場があり地下鉄が通っている。私がコ…
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2019.04.11【第22回】生い立ち⑥「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
捲土重来 大阪への旅立ち 私は独立を決意した。中学を卒業したら働こうと思った。 家出した私は、私のことを心配してくれる中学の先生の家に取敢えず下…
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2019.04.10【第21回】生い立ち⑤「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
ガキの頃の遊び 子供の頃…というかガキの頃はよく働いてよく遊んだ。四季を通じて、山間のこの町の子供の遊びには知恵がいっぱい詰まっていた。 夏、川…
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2019.04.09【第20回】生い立ち④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
敗戦と貧乏暮らし 線路の上を歩き始めた。 振り返ると機関車は間欠泉のように高く蒸気を噴き上げている。復旧の見通しはない。母と私達兄弟はそれを見て…
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2019.04.08【第19回】生い立ち③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
鹿児島から熊本への工場大移動 「お父さん、また引っ越すの?」 「そうだ! 時間が無いからすぐ引越しの準備をしろ」 父は詳しく説明しなかったが、工…
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2019.04.05【第18回】生い立ち②「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
戦争と私 太平洋戦争が激しくなってきた昭和十八年、国策により、父が鹿児島の高千穂電機と云う軍需工場に責任者として赴任することになり家族で引っ越す…
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2019.04.04【第17回】生い立ち①「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
天運の強い子供 私にとって激動の一九八九年も終り、年が改まってすぐ私はコロムビアに辞表を出した。 五十二歳の働き盛りだったが心はクタクタに疲れて…
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2019.04.03【第16回】コロムビア制作部後期の頃⑯「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
レコード大賞大敗とコロムビア退社 ウィンクがレコード大賞に参戦する。私はTBSに事の真意を確かめたが、明確な答えは得られなかった。 「弟子丸さん…
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2019.04.02【第15回】コロムビア制作部後期の頃⑮「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
レコード大賞にウィンクが参戦 この年のレコード大賞は十二月に入っても対抗馬は現れず、スポーツ各紙は“美空ひばりレコ大大本命”と報じ始めた。 私は…
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2019.04.01【第14回】コロムビア制作部後期の頃⑭「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
美空ひばり 国民栄誉賞受賞とレコード大賞ノミネート 戦後の国民に夢と希望と愛を与えてくれたひばりさんに女性初の国民栄誉賞が贈られた。ひばりさんが…
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2019.03.29【第13回】コロムビア制作部後期の頃⑬「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
「美空ひばり全国葬」 青山の空に響いた大合唱 『川の流れのように』 知らず知らず 歩いて来た 細く長いこの道 振り返れば 遥か遠く 故郷が見える…
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2019.03.28【第12回】コロムビア制作部後期の頃⑫「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
「美空ひばり全国葬」TBSの協力と独占放送 〝今日の我に、明日は勝つ〟ひばりさんの有名な座右の銘である。 多くの困難に打ち勝ってきたひばりさんだ…
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2019.03.27【第11回】コロムビア制作部後期の頃⑪「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
「美空ひばり全国葬」プラン 旧山手通りからのもの凄い急な坂をお互いに助け合って転ばないように下りて来る何組もの老夫婦の姿を見ていた。 私はこの日…
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2019.03.25【第10回】コロムビア制作部後期の頃⑩「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
心に封印した ひばりさんの顔 私が東京を留守にしている間、宣伝担当の大槻孝造氏はよく頑張ってマスコミ対応をしてくれていた。 私が到着した時、既に…
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2019.03.25【第9回】コロムビア制作部後期の頃⑨「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
細い糸は繋がっていた 冷静になってみると、会社にも家族にも内緒にしていた旅行の行く先がどうしてバレたのか? 後日聞いた話ではひばりさんの訃報の外…
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2019.03.25【第8回】コロムビア制作部後期の頃⑧「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
名古屋空港でのミステリー 名古屋空港の人混みの中で私と掛昇一先生は搭乗手続きを待った。 済州島行の大韓航空のカウンターに長い列が出来、手続きが始…
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2019.03.25【第7回】コロムビア制作部後期の頃⑦「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
美空ひばり 天国へ旅立つ 1988年6月24日、医師団の懸命の治療と親族、多くのファン、そして関係者の祈りも虚しく、天国の家族の元へ美空ひばりは…
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2019.03.25【第6回】コロムビア制作部後期の頃⑥「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
「さようなら」ラジオで最後のメッセージ 「ステージの上で死んでもいい」 決死の覚悟で挑んだ横浜アリーナこけら落としコンサートは中止された。親子で…
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2019.03.25【第5回】コロムビア制作部後期の頃⑤「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
美空ひばり 母と子の絆 十代の和也社長率いる㈱藤和エンタープライズのお披露目会場は事務所の会議室だった。二つ並んだ事務用長机に、缶ジュースが置か…
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2019.03.25【第4回】コロムビア制作部後期の頃④「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
美空ひばり 母の顔 今でも“若”と呼ばせて頂いている。 ㈱ひばりプロダクション社長加藤和也氏のことを私は彼がヨチヨチ歩きの子供の頃からそう呼びか…
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2019.03.25【第3回】コロムビア制作部後期の頃③「境弘邦 あの日あの頃~昼行灯の恥っ書き~」
名曲『川の流れのように』誕生秘話 「ハイ!次の曲の準備お願いします」 1曲30分程度で歌の収録は終わる。ひばりさんの場合、3回以上歌う必要はない…
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